内容紹介
古今東西、「雷の文化」についての入門書。
▼世界の文化は雷をどう意味づけているのか? アラブ、イギリス、カリブ海……そして日本において雷という現象がそこに生きる人々にどのような影響を与え、意味づけてきたのかを文学作品や美術作品などに描かれた雷を手がかりに、人間と雷との多様なかかわりを探る。
▼「畏れ」と「恵み」という雷の文化的側面に着目した刺激的な13編を収録。
妹尾堅一郎(せのお けんいちろう)
1953年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。英国国立ランカスター大学経営大学院博士課程満期退学。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授等を経て東京大学先端科学技術研究センター特任教授(知財マネジメントスクール校長役)。研究領域は問題学・構想学、知財マネジメント/技術経営等、実践領域は先端人財育成、産学連携・学術事業プロデュース等。
佐谷眞木人(さや まきと)
1962年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。恵泉女学園大学人文学部助教授。専門は国文学・古典芸能史。
溝部良恵(みぞべ よしえ)
1972年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学経済学部助教授。専門は中国古典文学。
羽田 功(はだ いさお)
1954年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。慶應義塾大学経済学部教授。専門はユダヤ人問題、19-20世紀転換期ドイツ文学。
湯川 武(ゆかわ たけし)
1941年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。カイロ・アメリカ大学大学院修士課程アラブ研究科修了。慶應義塾大学名誉教授、早稲田大学総合研究機構客員教授。専門は中東イスラーム史。
西村太良(にしむら たろう)
1949年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。慶應義塾常任理事。慶應義塾大学文学部教授。専門は西洋古典学。
クナウプ ハンス・ヨアヒム(Knaup,Hans-Joachim)
1952年生まれ。ボン大学文学部卒業。横浜国立大学教育学部外国人教師を経て、慶應義塾大学経済学部教授。専門は比較文化学、メディア研究。
小潟昭夫(おがた あきお)
1944年生まれ。慶應義塾大学大学文学研究科仏文学専攻博士課程修了。慶應義塾大学経済学部教授。専門は19世紀フランス文学、表象文化論。
萩原眞一(はぎわら しんいち)
1954年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。慶應義塾大学理工学部教授。専門は現代イギリス文学。
横山千晶(よこやま ちあき)
1960年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。慶應義塾大学法学部教授。専門は19世紀イギリス文学・文化。
工藤多香子(くどう たかこ)
1965年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程単位取得退学。慶應義塾大学経済学部助教授。専門は文化人類学、カリブ海地域研究。
髙木勇夫(たかぎ いさお)
1939年生まれ。横浜市立大学文理学部卒業、日本大学大学院理工学研究科博士課程単位取得退学。常磐大学学長、慶應義塾大学名誉教授。専門は地理学、自然環境論、地域政策・計画論。
植松芳平(うえまつ ほうへい)
1937年生まれ。山形大学文理学部理類地質鉱物学科卒業。生涯学習施設「里仁館」館長。雷サミット実行委員会副委員長。大学卒業後、県内の各高等学校で教鞭をとる。この間、庄内地方俵雪研究会の設立や、県立海浜の家所長、県立博物館長、県立松山里仁館高等学校長、県立酒田東高等学校長を経る。
奥山真裕(おくやま まさひろ)
1974年生まれ。埼玉大学教養学部卒業。鶴岡市総務部企画調整課主事。
目次
序 章 雷文化論への試み 妹尾堅一郎
第1章 日本古典文学の中の雷——軍記物語を中心に 佐谷眞木人
第2章 中国における雷のイメージの変遷 溝部良恵
第3章 ヤハウェ——オリエントの雷親父 羽田 功
第4章 イスラムと雷——ムスリム・アラブの雷観 湯川 武
第5章 ゼウスと雷とオリュムポス山 西村太良
第6章 制御された雷——畏怖の対象としての雷から音楽・舞台表象としての雷への変貌
クナウプ ハンス・ヨアヒム
第7章 フランス文学における雷——ヴィクトル・ユゴーと雷の詩学 小潟昭夫
第8章 電気、あるいは生命の火花——十八世紀欧米における雷観 萩原眞一
第9章 描かれた雷・撮られた雷——イギリス気象学の発達と絵画 横山千晶
第10章 一方で聖バルバラ、もう一方でチャンゴー——キューバ混血文化の象徴となった雷の神
工藤多香子
第11章 地理から読み取る「雷」 髙木勇夫
第12章 庄内地域の雷文化と人々〜冬季雷の里〜
植松芳平・奥山真裕