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EU市民権と市民意識の動態

叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態25
EU市民権と市民意識の動態

B7 312ページ 上製
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-7664-1422-6 C3331
奥付の初版発行年月:2007年11月 / 発売日:2007年11月上旬

内容紹介

EU市民権がアイデンティティをどう変えているか。
▼フランスで、最も多いEU諸国出身者であるポルトガル系移民を事例に、EU市民権制定後(1992年マーストリヒト条約)の市民意識やアイデンティティの変容に関する現状分析を、文書分析とフランスでの現地調査(アンケートやインタビュー調査)をもとに行う。


鈴木規子(すずき のりこ)
金城学院大学非常勤講師。
1972年生まれ。2003年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(法学)。フランス・ストラスブール大学政治学院DEA(博士論文提出資格)取得。
主な研究分野は、政治社会学およびフランス政治・社会・教育。
主要論文に、「外国人から市民へ——投票するEU市民」田中俊郎・庄司克宏編『EUと市民』(慶應義塾大学出版会、2005年)、「ヨーロッパ市民権制定と『ヨーロッパ人』アイデンティティーの形成——外国人地方参政権を認めたフランスの結果」『日本EU学会年報』第23号(2003年)、「フランスにおける市民性教育の現状と課題——政治・社会学的視点からの『市民性』概念の整理と現状分析——」『日仏教育学会年報』第12号(2005年版)、

目次

 巻頭言       安西祐一郎  
 刊行にあたって   小林 良彰

序章 
 I 本書の目的
 II 研究の方法および調査の概要
 III 本書の構成

第1部 EU市民権の法的・政治的・社会的影響——EUと国家
第1章 EU市民権の歴史的経緯と内容       
 はじめに
 I EU市民権の歴史的経緯
 II 欧州連合「市民権」
 III EU市民権の特徴
 おわりに

第2章 構成国におけるEU市民権の影響
 はじめに
 I EU市民への居住国における参政権に関する2つの欧州理事会指令
 II 欧州議会選挙に関する指令93/109 の適用と欧州議会選挙の結果
 III 欧州議会選挙とEU市民権に関する問題点
 IV 居住国における地方参政権に関する指令94/80と構成国の適用
 V 外国人地方参政権の実態とEU市民権の予想
 結びにかえて——外国人地方参政権に関するEU市民権の問題提起

第3章 EU市民権の影響——ドイツの例 
 はじめに
 I ドイツ国籍法改正
 II 社会的要因
 III 政権交代による影響
 IV EU市民権の影響
 結び

第4章 EU市民権の影響——フランスの例
 はじめに
 I 指令94/80の適用が遅れた原因
 II EU市民への参政権の内容
 III EU市民権の社会的・政治的影響——EU市民からすべての外国人へ
 IV EU市民権の帰結——国民国家のゆらぎとEUレベルでの収斂
 結び

第2部 EU市民たちの地方参政権行使と市民意識の実態——フランスのポルトガル人を事例に
第5章 フランス市町村議会選挙へのEU市民の参加 
 はじめに
 I 2001年フランス市町村議会選挙の結果
 II 選挙権行使と意識の関係——「ヨーロッパ人」アイデンティティーの形成か
 III 移民と母国および居住国の国民との意識の違い——ユーロバロメーターをもとに
 結び

第6章 フランスにおけるポルトガル系移民——移住の歴史、特徴、政治文化
はじめに
 I 戦後フランスの移民政策から統合政策へ
 II ポルトガルからの移民——移住の歴史にみる2つの波
 III ポルトガル大量移民の「プッシュ—プル」要因
 IV 移民の社会的状況
 V フランスのポルトガル系移民たちの人口
 VI フランス社会への統合
 VII ポルトガル系移民のアイデンティティー
 VIII ポルトガル系移民の政治文化
 結び

第7章 ポルトガル人たちのEU市民権行使と市民意識に関する調査結果
——ポルトガル人市議のデモグラフィー
 はじめに
 I 「ポルトガル国籍のみ」と「フランス国籍あり」の議員の数と国籍の分類
 II 議員の性別
 III 議員の年齢
 IV 出生地
 V 議員の役職
 VI フランスへの移住
 VII フランスでの居住歴
 VIII フランスでの居住地
 IX 最終学歴
 X 職業
 XI 所属政党
 XII アソシアシオンへの参加

第8章 ポルトガル人市議の投票行動よ市民意識
 はじめに
 I ポルトガル人議員たちの地方参政権の行使の実態
 II EU構成国出身者に対する地方参政権の付与について
 III 投票したときの意識と国籍
 IV 市民意識と国籍
 V 投票したときの意識と市民意識に関する考察
 VI アイデンティティーと国籍
 VII EU市民権について

終章 
 I EU市民権の行使の実態
 II ポルトガル人議員のアイデンティティーとヨーロッパ人意識
 III EU市民権のパラドクス
 IV EU市民からすべての外国人への地方参政権の付与について
 V 今後のEU市民権のゆくえ

追補 「調査について」
参考文献一覧
あとがき
索引


追補目次
A 在仏ポルトガル人議員に対する調査の概要 
B インタヴュー調査対象者リスト
C EU市民権に関するアンケート(原文および日本語訳)
D ポルトガル国籍のみの市議会議員のプロフィール
E アンケート回答結果 
F 調査資料 「大使館2004」
G EU市民権の規定


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