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国策グラフ誌『写真週報』とその時代戦時日本の国民意識

叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態36
戦時日本の国民意識 国策グラフ誌『写真週報』とその時代

B7 480ページ 上製
価格:5,060円 (消費税:460円)
ISBN978-4-7664-1462-2 C3331
奥付の初版発行年月:2008年01月 / 発売日:2008年01月上旬

内容紹介

戦時中、政府のプロパガンダを国民にわかりやすくアピールする目的で、昭和13年2月から20年7月まで発行されていた国策グラフ雑誌『写真週報』を初めて総合的に分析。300を超える画像を紹介しつつ、テーマ別のアプローチにより、そこから読みとれる当時の政策、国民の生活や意識を立体的に描き出す。


玉井 清(たまい きよし)
慶應義塾大学法学部教授。法学博士。
1959年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。
主要業績に、『原敬と立憲政友会』(慶應義塾大学出版会、1999年)、『帝大新人会研究』(共著、慶應義塾大学法学研究会叢書、1997年)、『満州事変の衝撃』(共著、勁草書房、1996年)、『大麻唯男』(共著、財団法人櫻田会、1996年)など。

清水 唯一朗(しみず ゆいちろう)
慶應義塾大学総合政策学部専任講師。博士(法学)。
1974年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得。
主要業績に、『政党と官僚の近代——日本における立憲統治構造の相克』(藤原書店、2007年)、『オーラル・ヒストリー入門』(共著、岩波書店、2007年)、『宰相たちのデッサン』(共著、ゆまに書房、2007年)など。

小田 義幸(おだ よしゆき)
慶應義塾大学大学院法学研究科特別研究助教。椙山女学園大学講師。
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。
主要業績に、「占領初期における食糧危機と食糧管理強化の政治過程」『法学政治学論究』第61号(2004年)、「占領初期における食糧管理強化と帝国議会」『法学政治学論究』第69号(2006年)、「第23回総選挙における日本社会党躍進の組織的要因」寺崎修・玉井清編『戦前日本の政治と市民意識』(慶應義塾大学出版会、2005年)など。

岩村 正史(いわむら まさし)
慶應義塾大学法学部講師。博士(法学)。
1973年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。
主要業績に、『戦前日本人の対ドイツ意識』(慶應義塾大学出版会、2005年)、『主要国政治システム概論 改訂版』(共著、慶應義塾大学出版会、2005年)、「『写真週報』のナチス・ドイツ観」『メディア史研究』第22号(2007年)など。

奥 健太郎(おく けんたろう)
武蔵野大学現代社会学部講師。博士(法学)。
1972年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。
主要業績に、『昭和戦前期立憲政友会の研究——党内派閥の分析を中心に』(慶應義塾大学出版会、2004年)、「翼賛選挙と翼賛政治体制協議会——その組織と活動」寺崎修・玉井清編『戦前日本の政治と市民意識』(慶應義塾大学出版会、2005年)、「第2回参議院選挙と自由党——参議院政党化の一分析」『年報政治学』2006年度第2号(2007年)など。

門松 秀樹(かどまつ ひでき)
慶應義塾大学法学部講師。博士(法学)。
1974年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。
主要業績に、『近代日本の政治』(共著、法律文化社、2006年)、「幕末における民間の政治情報」笠原英彦編『近代日本の政治意識』(慶應義塾大学出版会、2007年)、「開拓使における旧箱館奉行所吏員の『中継』性に関する考察」『法学研究』第80巻第6号(2007年)など。

靏岡 聡史(つるおか さとし)
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程。日本学術振興会特別研究員。
1977年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科前期博士課程修了。
「満州事変と鉄道復興問題——瀋海線を巡る関東軍・満鉄・満州青年連盟」『法学政治学論究』第70号(2006年)など。

目次

 巻頭言       安西祐一郎  
 刊行にあたって   小林 良彰
 序         玉井清

第1章 国策グラフ『写真週報』の沿革と概要   清水唯一朗
 はじめに
 Ⅰ 『写真週報』はどのように作られたのか
 Ⅱ 『写真週報』の誌面構成とその変遷
 Ⅲ 『写真週報』はどのように読まれたのか
 おわりに

第2章 『写真週報』に見る食糧問題    小田義幸
 はじめに
 Ⅰ 供給不安の払拭と節米意識の浸透
 Ⅱ 全国民への食糧増産奨励と戦時食生活の浸透
 Ⅲ 国民皆農と自力更生の徹底
 おわりに

第3章 『写真週報』に見る模範的国民生活    小田義幸
 はじめに
 Ⅰ 民需抑制意識の涵養
 Ⅱ 戦時意識の扶植と戦時経済への協力要請
 Ⅲ 犠牲的耐乏生活の実践
 おわりに

第4章 『写真週報』に見る民間防空    岩村正史
 はじめに
 Ⅰ 日中戦争下における民間防空
 Ⅱ 欧州における都市空襲とその影響
 Ⅲ 太平洋戦争突入と『時局防空必携』改訂
 Ⅳ 防空法第二次改正と疎開の推奨
 おわりに

第5章 『写真週報』に見る労務動員   奥 健太郎
 はじめに
 Ⅰ 労務問題の浮上——昭和13年〜15年
 Ⅱ 労働力不足の深刻化——昭和16年〜18年前半
 Ⅲ 労務動員の全面化——昭和18年後半〜19年7月  
 Ⅳ 崩壊する戦時体制——昭和19年7月〜終刊
 おわりに

第6章 『写真週報』に見る「健民運動」   奥 健太郎
 はじめに
 Ⅰ 体力向上 
 Ⅱ 病気予防 
 Ⅲ 人口増産
 おわりに

第7章 『写真週報』に見る学生・生徒・児童   奥健太郎・靏岡聡史
 はじめに
 Ⅰ 学徒勤労動員
 Ⅱ 兵力動員
 Ⅲ 科学・航空教育
 おわりに

第8章 『写真週報』に見る戦局報道と軍事情報   門松秀樹
 はじめに
 Ⅰ 大本営発表と戦局報道
 Ⅱ 戦局の推移と『写真週報』における報道
 おわりに

第9章 『写真週報』に見る東アジア観   靏岡聡史
 はじめに
 Ⅰ 日中戦争期における東アジア
 Ⅱ 太平洋戦争勃発後における東アジア
 おわりに

第10章 『写真週報』に見る英米観とその変容   玉井清
 はじめに
 Ⅰ 日中戦争下の英米観 
 Ⅱ 日米開戦後、日本攻勢下の米英観
 Ⅲ 米軍反攻下の米英観
 おわりに 

第11章 『写真週報』に見るドイツ観   岩村正史
 はじめに
 Ⅰ ドイツ関連写真記事の分類と全体的傾向
 Ⅱ 友好国イメージの強調と批判の封印
 Ⅲ 「若きドイツ」のイメージ
 Ⅳ 軍事的な「強さ」の強調
 おわりに

 あとがき
 図版一覧
 索引


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