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安楽死、妊娠中絶、臓器移植オランダ医事刑法の展開

オランダ医事刑法の展開 安楽死、妊娠中絶、臓器移植

B7 208ページ 上製
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-7664-1556-8 C3032
奥付の初版発行年月:2009年07月 / 発売日:2009年07月上旬

内容紹介

オランダにおける医事刑法分野の最新状況を詳説。
▼安楽死審査法施行後の状況、緩和的鎮静と安楽死をめぐる問題、人工妊娠中絶法、後期妊娠中絶、重度障害胎児および新生児に関する生命終結の決定、臓器提供法等、オランダにおける医事刑法最新の議論・立法・その施行状況、そして判例に関して、ペーター・タック教授が紹介、解説する。
▼医事法の第一人者・甲斐克則教授による編纂・邦訳。甲斐教授による解説も付す。安楽死議論、臓器移植議論においてわが国でも参考とされることの多いオランダの医事刑法分野に関する最新の議論状況を把握できる。
▼オランダにおける、2001年「要請に基づく生命終結および自殺幇助(審査手続)法」、刑法典の「堕胎罪規定」、「人工妊娠中絶法」なども参考資料として、邦訳して掲載している。


【著者】
ペーター・タック(Peter J. P. Tak)
オランダ、ラードバウド・ナイメーヘン大学法学部教授。1944年生まれ。法学博士(ティルブルグ大学)。
1973年から1976年まで検察官を務め、1976年から現職。
オランダ判例法編集委員会委員(1970〜2008)、オランダ法務省科学研究アドバイザリー委員会議長(1980〜1992)、オランダ科学研究組織社会科学研究評議会委員(1984〜1996)、刑事司法管理統計アドバイザリー委員会議長(1995〜2005)等を歴任。2005年から現在に至るまで、国際刑政財団(the International Penal and Penitentiary Foundation= IPPF) 事務局長。
主要著書に、The Legal Scope of Non-Prosecution in Europe, Government Printing Center, Finland, 1986; Criminal Justice Systems in Europe: The Netherlands, Kluwer Law and Textation Publishers, 1993; Essays on Dutch Criminal Policy, Wolf Legal Publishers, 2002; The Dutch Criminal Justice System: Organization And Operation (Onderzoek en beleid / Reserach in Policy), 2ed. rev., Boom Juridische Uitgevers, 2004; Tasks and Powers of the Prosecution Services in the EU member States, Vol. I.II(Ed.), Wolf Legal Publishers, 2004, 2005; The Dutch Criminal Justice System, 3rd ed., Wolf Legal Publishers, 2008
他。

【編訳者】
甲斐克則(かい かつのり)
早稲田大学大学院法務研究科教授。1954年生まれ。九州大学大学院法学研究科博士課程単位取得。法学博士。日本刑法学会理事。日本医事法学会理事。日本生命倫理学会理事。
主要著書に、アルトゥール・カウフマン『責任原理——刑法的・法哲学的研究』(九州大学出版会、2000年、翻訳)、『海上交通犯罪の研究[海事刑法研究第1巻]』(成文堂、2001年)、『安楽死と刑法[医事刑法研究第1巻]』(成文堂、2003年)、『尊厳死と刑法[医事刑法研究第2巻]』(成文堂、2004年)、『被験者保護と刑法[医事刑法研究第3巻]』(成文堂、2005年)、『責任原理と過失犯論』(成文堂、2005年)、『医事刑法への旅Ⅰ[新版]』(イウス出版、2006年)、『遺伝情報と法政策』(成文堂、2007年、編著)、『ブリッジブック医事法』(信山社、2008年、編著)、『企業活動と刑事規制』(日本評論社、2008年、編著)、『企業活動と刑事規制の国際動向』(信山社、2008年、共編著)他多数。

目次

はしがき

第1章 オランダにおける安楽死論議の展開
Ⅰ 序
Ⅱ 緒論
Ⅲ 立法府かそれとも司法府か
Ⅳ 安楽死に関する(最高)裁判所の判例法
Ⅴ レメリンク委員会報告書
Ⅵ 届出手続
Ⅶ 対応としての新たな政策
Ⅷ 2001年・要請に基づく生命終結および自殺幇助(審査手続)法
Ⅸ 結 語
〔参考資料・翻訳〕2001年・要請に基づく生命終結および自殺幇助(審査手続)法

第2章 オランダにおける緩和的鎮静と安楽死
Ⅰ 序:オランダにおける安楽死をめぐる近年の問題状況
Ⅱ 緩和的鎮静のためのガイドライン
Ⅲ 結 語

第3章 オランダの要請に基づく生命終結および自殺幇助(審査手続)法採択から5年を経て
Ⅰ 序
Ⅱ 地域審査委員会の2005年度および2006年度の報告書
Ⅲ 緩和ケア
Ⅳ 安楽死等審査法5年の評価
Ⅴ 結 語

第4章 オランダにおける人工妊娠中絶
Ⅰ 序
Ⅱ オランダにおける人工妊娠中絶の歴史
Ⅲ オランダ議会における人工妊娠中絶を求める10年の闘い
Ⅳ 1981年・人工妊娠中絶法
Ⅴ 実践における妊娠中絶法
Ⅵ 結 語
〔参考資料・翻訳〕刑法典の堕胎罪規定、人工妊娠中絶法

第5章 オランダ刑法における後期妊娠中絶
Ⅰ 序
Ⅱ 医学的側面
Ⅲ 法的諸問題
Ⅳ 医学界からの反応
Ⅴ 重度の胎児性欠損のカテゴリー
Ⅵ 法的諸側面
Ⅶ 致命的欠損のケースにおける届出と審査
Ⅷ 致命的でない欠損のケースにおける届出と審査
Ⅸ 結 語

第6章 オランダにおける重度障害胎児および新生児に関する終末期の決定
Ⅰ 序
Ⅱ 問題状況
Ⅲ 医学界の動向
Ⅳ プリンス事件およびカダイク事件とその後の展開
Ⅴ フローニンゲン・プロトコールと評価手続および相当の注意(due care)の基準
Ⅵ 若干の批判的論評
Ⅶ 検察官の意思決定

第7章 オランダの臓器提供法に関する最近の展開
Ⅰ 序
Ⅱ 脳死プロトコール
Ⅲ 臓器提供法
Ⅳ 登 録
Ⅴ 応答しない人がなぜそのように多いのか?
Ⅵ 西ヨーロッパにおける様々なドナー・リクルート・システム
Ⅶ 臓器提供の割合を増やすプログラム
Ⅷ 潜在的ドナーの利用を最大活用する手段
Ⅸ 結 語

編訳者解説・あとがき

事項索引
初出一覧


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