コミュニティのちから “遠慮がちな”ソーシャル・キャピタルの発見
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-7664-1752-4 C0031
奥付の初版発行年月:2010年06月 / 発売日:2010年06月中旬
「いいコミュニティ」はこう作る
急速に高齢化が進む日本。健康は誰しもの関心事。全国さまざまな事例をよく見ると、健康な地域の背景に、また、複雑な医療問題の解決の背後に「コミュニティのちから」が存在することが分かる。「コミュニティのちから」をどう発揮させて「いいコミュニティ」をどう作るか。豊富な事例に基づいてそのレシピを示すのが本書である。
今村晴彦(いまむら はるひこ)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科研究員、SFC研究所上席所員。
1979年、東京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、出版社勤務。企業や健康保険組合向けのヘルスケアサービスの企画・運営に携わる。2008年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。現在は同研究科の博士課程にも在籍し、長野県をはじめ全国各地を舞台に、地域コミュニティの仕組みと健康・医療との関係について研究。
園田紫乃(そのだ しの)
慶應義塾大学先導研究センター共同研究員、SFC研究所上席所員(訪問)、株式会社メディヴァ勤務。
1984年、鹿児島県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。在学中米国ブリンマー大学交換留学、2009年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程終了後、内閣府経済社会システム付政策調査員として政府・企業・市民参加型の公共サービスを支える仕組みについて調査。2010年6月、株式会社メディヴァ入社。患者視点での医療変革に取組む。
金子郁容(かねこ いくよう)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、総合政策学部教授、SFC研究所所長。
1948年、東京都生まれ。慶應義塾大学工学部卒業。スタンフォード大学Ph. D. 、ウィスコンシン大学コンピュータサイエンス学科準教授、一橋大学商学部教授等を経て1994年より慶應義塾大学教授。専門は、情報組織論、コミュニティ論など。著書に、『ボランタリー経済の誕生』(共著、実業之日本社)、『コミュニティ・ソリューション』(岩波書店)、『日本で「一番いい」学校』(岩波書店)など多数。
目次
第1章 長野県の保健補導員コミュニティ
——女性の5人に1人が参加している“不思議”な地域組織
1 長寿で医療費の少ない「理想郷」
2 第三の選択肢——住民の手による健康づくり
3 女性の5人に1人が経験者であるコミュニティ
4 学習、働きかけ、関わり合い——自分の健康、家族の健康から地域に目を向ける
5 保健補導員の共通意識
6 「私たちにも手伝わせてください」 ——戦時中の産声
7 地域医療の先駆けから保健補導員研究大会へ——一人の医師の足跡
8 地域活動から保健補導員初代会長に——茅野市の住民リーダーの物語
第2章 “遠慮がちな”ソーシャル・キャピタルの発見
1 ソーシャル・キャピタルという考え方
2 保健補導員コミュニティのソーシャル・キャピタル
3 遠隔医療実験で出現した「共通意識」
4 足下をしっかり見直す
5 “遠慮がちな”ソーシャル・キャピタル
第3章 「コミュニティのちから」で「コミュニティのちから」を育てる
1 パートナーシップのまちづくり——長野県茅野市
2 行政と住民で築く“認知症ケアコミュニティ”——福岡県大牟田市
3 商店街の女性が地域の健康づくり——東京都世田谷区の「梅丘健康まちづくりサロン」
第4章 「いいコミュニティ」の作り方
1 組織としてのコミュニティ
2 保健補導員の「ルール」「ロール」「ツール」
3 ネットで禁煙——インターネット禁煙マラソン
4 地域医療の問題解決と「コミュニティのちから」
5 「ルール」「ロール」「ツール」で「いいコミュニティ」を作る