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世界史の中の近代日韓関係

世界史の中の近代日韓関係

四六判 288ページ 並製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-7664-2058-6 C0020
奥付の初版発行年月:2013年07月 / 発売日:2013年07月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

いま、日韓の歴史を国際関係から読み直す。

▼日韓関係をめぐり、大国はどのように動いたのか?
19世紀以来、米国、ロシア、中国などが織りなす力関係に翻弄される韓国(朝鮮)と日本の関係をたどり、二国間関係に世界の動きから新しい光をあてた一冊。

▼近代以降の朝鮮半島は、それまでの日中にくわえて、東アジア地域に進出を図るロシア、産業革命後に新たな市場を求めた英国、それに続く新興の米国などの影響を大きく受けることとなった。

列強の対外膨張政策と日本の韓国併合・朝鮮統治時代、そして第二次世界大戦での日本敗戦~朝鮮解放後の南北朝鮮分断までをたどりながら、列国をはね返す大きな波とならなかった「朝鮮独立運動」の運命、そして米国、ロシア、中国などが織りなす力関係に翻弄されながらも独立を求めつづけた韓国(朝鮮)と日本の関係を、国際関係から大きくとらえた一冊。

著者プロフィール

長田 彰文(ナガタ アキフミ)

上智大学文学部史学科教授。1958年大阪府生まれ。
早稲田大学政治経済学部および京都大学法学部卒業、一橋大学大学院法学研究科修士課程修了、同博士課程単位取得退学。博士(法学)。大韓民国ソウル大学校国際地域院(現・国際大学院)客員研究員(2001-2002年)、米国コロンビア大学東アジア研究所客員研究員(2009-2010年)。
専攻分野:日韓関係史、アジア太平洋国際政治史。
主要著作:『セオドア・ルーズベルトと韓国―韓国保護国化と米国』(未來社、1992年)、『日本の朝鮮統治と国際関係―朝鮮独立運動とアメリカ 1910-1922』(平凡社、2005年)、(共著)『現代東アジア―朝鮮半島・中国・台湾・モンゴル』(慶應義塾大学出版会、2009年)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
 古代~七世紀の朝鮮と日本/元と高麗・日本/朝鮮王朝の建国と日朝関
 係

第一章 朝鮮の開国と当時の国際情勢
 1 東アジア国際秩序の崩壊と朝鮮
   倭乱と通信使/鎖国と開国
 2 日本における倒幕・明治維新と朝鮮
   明治維新と「征韓」の主張
 3 「征韓論」の台頭と日朝修好条規の締結
   「征韓論」とその背景/日朝修好条規の締結へ
 4 朝鮮問題の「国際化」
   修交後の日本と朝鮮/「陰謀の大海」へ
 5 朝鮮をめぐる日清対立・清国の優越と朝鮮
   民衆の困苦と壬午事変/甲申政変/朝鮮における清国の優越確立と
   日本の対応

第二章 日清・日露戦争と朝鮮(韓国)
 1 日清戦争と朝鮮
   甲午農民戦争/日清戦争の開戦
 2 日清戦争後の朝鮮(韓国)におけるロシアの優越
   閔妃殺害/ロシアの優越/大韓帝国の誕生と独立協会/独立協会の
   解散
 3 日英同盟・日露交渉と韓国問題
   列強による清国の蚕食/日露戦争前夜
 4 日露戦争と韓国問題
   日韓議定書・第一次日韓協約の締結/日本の竹島編入
   
第三章 韓国における日本の支配権の確立と列国
 1 日本の韓国保護国化と国際関係
   日露講和条約と「桂・タフト協定」――英米との合意/高宗の外交
   的働きかけ/親日団体・一進会の登場と乙巳保護条約
 2 韓国での「統監政治」の展開と列強
   第三次日韓協約の締結/抗日運動の展開
 3 日本の韓国併合と国際関係
   伊藤博文の暗殺/日本の韓国併合

第四章 日本の朝鮮統治の開始と国際関係
 1 日本の朝鮮「武断統治」の開始と国際関係
   朝鮮総督府の設置と土地調査事業/「一〇五人事件」の「発生」/
   海外での独立運動の展開
 2 国際情勢の変動と三・一運動
   第一次世界大戦とパリ講和会議/三・一独立運動へ
 3 三・一運動の展開・鎮圧と国際関係
   三・一運動の展開/在外朝鮮人の活動/三・一運動の鎮圧と「武断
   統治」の終焉
 4 日本の朝鮮「文化政治」の展開と朝鮮独立運動の継続
   新たな統治政策――「文化政治」/止まぬ独立運動
 5 ワシントン会議および「極東労働者大会」と朝鮮問題
   米国議員団の朝鮮訪問/ハーディング政権発足と朝鮮問題/
   ワシントン会議と「極東労働者大会」
 6 関東大震災と朝鮮人
   関東大震災の発生/大震災時の朝鮮人殺害
 7 「文化政治」期の朝鮮と日本の対応
   朝鮮独立運動の分化/朝鮮独立運動への懐柔/IPRへの参加問題

第五章 国際情勢の緊迫と朝鮮の「大陸兵站基地」化
 1 万宝山事件および満州事変と朝鮮問題
   万宝山事件/満州事変と「満州国」の建国
 2 朝鮮の「大陸兵站基地」化と国際関係
   一九三〇年代の状況/ベルリン・オリンピックと「日章旗抹消事
   件」/雲山金鉱経営・採掘権回収への動き/在ソ朝鮮人の中央ア
   ジアへの強制移住
 3 日中戦争の開始と朝鮮問題
   日中戦争と朝鮮人兵士/朝鮮人の労働力動員/戦線の拡大・長期
   化と「従軍慰安婦」/鉱山権益の買収

第六章 日本の朝鮮統治の終焉と朝鮮の南北分断
 1 日本の朝鮮「皇民化政策」と国際関係
   神社参拝/日本語教育の徹底/創氏改名/日本との決戦へ
 2 太平洋戦争の開戦と朝鮮
   太平洋戦争への道/太平洋戦争の開戦と朝鮮
 3 太平洋戦争の展開と朝鮮をめぐる国際関係
   枢軸国と連合国/カイロ会談とテヘラン会談
 4 日本の敗戦・朝鮮統治の終焉と朝鮮問題
   ヤルタ会談/ヨーロッパ戦線の終結/原爆投下とソ連の参戦/
   「三八度線」の誕生/ポツダム宣言の受諾/朝鮮建国準備委員
   会の発足/「朝鮮人民共和国」と大韓民国臨時政府/日本にお
   ける韓国・朝鮮人のその後

おわりに
 江戸期から明治期までの日本と朝鮮/日本の朝鮮統治とその構造/
 日本の敗戦後の朝鮮分割占領と統治/米国の朝鮮(韓国)政策(一九
 世紀~一九四五年)/「三八度線」決定の経緯/ロシア・ソ連の朝鮮
 (韓国)政策/中国の朝鮮(韓国)政策/朝鮮(韓国)の動きとその
 背景/朝鮮独立運動とナショナリズム/独立運動の分裂と朝鮮半島の
 今後


図版出典一覧
あとがき
主要参考・引用文献/さらに読み進めるための文献リスト
索 引


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