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ジェントリフィケーションと脅かされるコミュニティ立ち退かされるのは誰か?

立ち退かされるのは誰か? ジェントリフィケーションと脅かされるコミュニティ

四六判 288ページ
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-7664-2998-5 C3036
奥付の初版発行年月:2024年12月 / 発売日:2024年12月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

<ジェントリフィケーション>がもたらす問題とは?

再開発による「立ち退き」、グローバルな不動産投資と家賃高騰……。

<ジェントリフィケーション>という言葉を生みだしたのは、1960年代の社会学者ルース・グラスだった。
彼女が都市ロンドンで<発見>した現象は、現代の都市問題を予見していた……。

地域コミュニティが脅かされつつある現代都市の課題との共通点をさぐる注目の書。



――ロンドンでは、空間をめぐる競争がますます激しくなっている。さまざまな要素がこの競争をさらに強化している。(……それらは)予測も制御もされなければ手に負えなくなり、地価(上昇)のスパイラルにつながる。そして、まさにこれが起きてしまったのである。
(ルース・グラス『ロンドン――変化の諸相』より)


――ジェントリフィケーション。ダウンタウン・イーストサイドは大きな変容の最中にある。過去10年の間に中流層、上流層の階級の住民たちがこの低所得地域に移り住むようになった。新たな住民たちがコミュニテイ再生の手助けをする一方で、そのことは周縁化された住民たちを追い出すことでもある。
(バンクーバーのストリート・ペーパーMegaphoneより)

著者プロフィール

山本薫子(ヤマモトカホルコ)

東京都立大学都市環境科学研究科准教授。
博士(社会学)。専門は都市社会学。

主要著作:
『横浜・寿町と外国人―グローバル化する大都市インナーエリア 』(福村出版、2008年)
『原発避難者の声を聞く―復興政策の何が問題か 』(共著、岩波ブックレット、2015年)
『社会にひらく 社会調査入門。(共著、ミネルヴァ書房、2023年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 ジェントリフィケーションとは何か

第Ⅰ部 都市ロンドンとジェントリフィケーションの<発見>

第1章 「ジェントリフィケーション」の名づけ親 ルース・グラス
第2章 英国の住宅はどう変わったか
第3章 地域コミュニティの重要性
第4章 労働者の賃貸住宅をめぐる新たな問題
第5章 移民労働者の増加と「人種問題」
第6章 スケープゴート化された移民たち
第7章 現代から見るグラスの意義と再評価

第Ⅱ部 現代のジェントリフィケーションを考える

第8章 カナダ・バンクーバーの住宅不足と家賃高騰
第9章 バンクーバーの低所得地域ダウンタウン・イーストサイド
第10章 DTES におけるジェントリフィケーションへの対抗
第11章 チャイナタウンでのジェントリフィケーションと移民の「歴史」
第12章 縮減する低所得地域とホームレスの排除
第13章 福祉化する横浜・寿町の現在

終 章 ジェントリフィケーションを通して社会をとらえる


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