太陽からは可視光以外にも、プラズマ流や惑星間空間磁場などが地球へと吹き付けている。本書は、太陽と地球を取り巻く環境を一つのシステムと捉え、その構造とダイナミクスを第一人者が系統的に解説。宇宙天気の予報も見据え、オーロラや磁気嵐の発達過程に迫る。
目次
第1章 地球周辺の環境
1.1 地球周辺空間のプラズマ
1.2 太陽光と地球大気
1.3 電離圏
1.4 地球磁場
第2章 地球周辺空間を探る
2.1 宇宙への窓
2.2 電波による探測
2.3 磁波の窓
2.4 地磁気変動
2.5 大気圏外へ
2.6 地球周辺空間観測と国際協力
2.7 飛翔体観測
コラム 電離層実験からレーダーへ / サブストーム
第3章 プラズマ物理の基礎
3.1 プラズマとは何か
3.2 単一荷電粒子の運動
3.3 連続流体としてのプラズマ
3.4 磁気リコネクション(磁気再結合)
3.5 プラズマの電気伝導度:弱電離気体中のホール電流
第4章 太陽から吹く風
4.1 太陽活動
4.2 膨張する太陽コロナ
4.3 太陽風と惑星間空間磁場
4.4 ユリシーズによる高緯度領域の探査
第5章 地球の勢力範囲 : 磁気圏
5.1 太陽風と惑星磁場
5.2 地球磁気圏
5.3 磁気圏尾部を探る
5.4 磁気圏尾部の構造
コラム 惑星の磁場 / 予期せぬオペレーション
第6章 オーロラと磁気圏サブストーム
6.1 オーロラを測る
6.2 オーロラの出現分布
6.3 人工衛星からオーロラを捉える
6.4 磁気圏サブストーム
コラム オーロラ観測 / 昼間のオーロラ
第7章 太陽面爆発現象と磁気嵐
7.1 太陽活動と地上現象
7.2 太陽面爆発現象とプラズマ雲の放出
7.3 磁気嵐
7.4 太陽面爆発現象の宇宙利用・地上システムへの影響
コラム 地球磁場がなくなったら