日本のエネルギー革命 資源小国の近現代
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-8158-0660-6
奥付の初版発行年月:2010年12月
戦後日本の高度成長への道を拓いたエネルギー革命の歴史的意義を、戦前~1960年に至る長期的視野で位置づけ直し、熱管理や臨海開発などの経済政策・企業活動を通じて、資源制約に需要・供給両面から効率的に対応し得た要因を示す。戦後経済史・環境史の理解に新たな扉を開く画期的成果。
目次
序 章 エネルギー革命再考
1 課 題
2 分析手法と構成
第Ⅰ編 エネルギー節約の取り組み —— 1920~55年
第1章 エネルギー節約政策の誕生
—– 第1次世界大戦後の燃焼指導 ——
はじめに
1 燃料節約への関心の高まり
2 大阪 : 燃焼指導の誕生
3 大阪から全国へ
おわりに
第2章 熱管理の時代
—— 戦時から戦後復興へ ——
はじめに
1 熱管理政策の始動
2 アジア太平洋戦争期の熱管理政策
3 復興期の熱管理政策
おわりに
第3章 鉄鋼業におけるエネルギー節約技術の発展
—— 1920~55年 ——
はじめに
1 第1次世界大戦後のエネルギー節約
2 「満洲」昭和製鋼所の熱管理
3 戦時期の熱管理
4 復興期の熱管理
おわりに
第Ⅱ編 エネルギー革命の進展とエネルギー政策 —— 1950年代
第4章 1950年代のエネルギー政策
—— 重油消費規制を中心に ——
はじめに
1 重油への転換と石炭との競合
2 1950年代のエネルギー政策
おわりに
補論 1950年代の熱管理政策
第5章 電力業のエネルギー革命
—— 重油専焼火力発電所をめぐって ——
はじめに
1 電力設備近代化計画
2 油主炭従政策の成立
おわりに
第Ⅲ編 エネルギー需要増大への対応 —— 1955~60年
第6章 石油産業の1950年代
—— 品質向上から原油輸入能力向上へ ——
はじめに
1 設備投資の動向
2 品質向上の進展
3 石油港湾に対する現状認識
4 用船期間の長期化と自社船の拡充
5 石油港湾整備政策の進展
おわりに
第7章 タンカー大国へ
—— 出光興産徳山製油所 ——
はじめに
1 徳山海軍燃料廠跡地の払い下げ
2 1955年初頭の建設構想
3 徳山製油所の建設
4 徳山製油所の波及効果
おわりに
第8章 臨海開発とエネルギー革命
—— 横浜市の場合 ——
はじめに
1 横浜市の埋立事業
2 根岸湾埋立事業の決定
3 開発の目的、反対運動の思想
4 根岸湾臨海工業地帯の建設
おわりに
終 章 エネルギー制約の「解決」
1 エネルギー革命への道
2 エネルギー、高度成長、公害