大学出版部協会

 

列島経済史入門日本経済の歴史[第2版]

日本経済の歴史[第2版] 列島経済史入門

A5判 416ページ 並製
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-8158-1124-2 C3033
奥付の初版発行年月:2023年05月 / 発売日:2023年05月下旬

内容紹介

日本列島でくりひろげられた経済社会の営みを、環境史や生活史などの新たな視点も交えて活写、世界経済との連関もふまえ、国家の枠をこえた多様な経済の展開過程が、いかにして現代社会へとつながるのかをわかりやすく解説した、好評のスタンダード・テキスト決定版。

著者プロフィール

中西 聡(ナカニシ サトル)

1962年 愛知県に生まれる
1993年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
東京大学社会科学研究所助手、北海道大学経済学部助教授、名古屋大学大学院経済学研究科教授などを経て
現 在 慶應義塾大学経済学部教授、博士(経済学)

著書:
『資産家資本主義の生成――近代日本の資本市場と金融』(慶應義塾大学出版会、2019年)
『近代日本の消費と生活世界』(共著、吉川弘文館、2018年)
『旅文化と物流――近代日本の輸送体系と空間認識』(日本経済評論社、2016年)
『海の富豪の資本主義――北前船と日本の産業化』(名古屋大学出版会、2009年、日本学士院賞)
『近世・近代日本の市場構造――「松前鯡」肥料取引の研究』(東京大学出版会、1998年)
『世界経済の歴史[第2版]――グローバル経済史入門』(共編、名古屋大学出版会、2020年)
『経済社会の歴史――生活からの経済史入門』(編、名古屋大学出版会、2017年)
『近代日本の地方事業家――萬三商店小栗家と地域の工業家』(共編著、日本経済評論社、2015年、企業家研究フォーラム賞)
『産業化と商家経営――米穀肥料商廣海家の近世・近代』(共編、名古屋大学出版会、2006年)他

綿貫 友子(ワタヌキ トモコ)

神戸大学教授

内藤 隆夫(ナイトウ タカオ)

東京経済大学教授

北澤 満(キタザワ ミツル)

九州大学准教授

橋口 勝利(ハシグチ カツトシ)

慶應義塾大学教授

岡部 桂史(オカベ ケイシ)

立教大学教授

小堀 聡(コボリ サトル)

京都大学准教授

山口 由等(ヤマグチ ヨシト)

流通経済大学教授

石井 晋(イシイ ススム)

学習院大学教授

桜井 英治(サクライ エイジ)

東京大学教授

鬼頭 宏(キトウ ヒロシ)

上智大学名誉教授

鈴木 淳(スズキ ジュン)

東京大学教授

中村 修也(ナカムラ シュウヤ)

文教大学教授

櫻木 晋一(サクラキ シンイチ)

朝日大学教授

長谷川 裕子(ハセガワ ヤスコ)

跡見学園女子大学教授

本城 正徳(ホンジョウ マサノリ)

元奈良教育大学教授

真栄平 房昭(マエヒラ フサアキ)

元琉球大学教授

髙橋 美由紀(タカハシ ミユキ)

立正大学教授

長谷部 弘(ハセベ ヒロシ)

東北大学名誉教授

田村 均(タムラ ヒトシ)

埼玉大学名誉教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 日本経済の歴史をどのような視点でみるか

  第I部 経済社会の勃興
       —— 古代から中世へ

はじめに —— 宗教を基底に置く社会の「市場経済」

第1章 公領と荘園の古代
      —— 自国銭貨の時代から商品貨幣の時代へ
     序 東アジア世界経済のなかの古代日本社会
     1 銭貨の発行と流通
     2 産業構成と社会編成
     3 財政構造の転換と全国的商品流通の形成
     4 領域型荘園の成立
       解説I-1 商業と商人の生成

第2章 貿易と戦乱の中世
      —— 中国銭貨の時代
     序 ユーラシア世界経済の成立と中世日本社会
     1 渡来銭の流入と手形の発達
     2 朝廷・幕府・大名の経済政策
     3 代銭納化の進展と荘園制の変容
     4 都市工業の成長と商人仲間
     5 中世海運と遠隔地間商業
     6 村落・都市の成立と生活環境
       解説I-2 出土銭貨研究から見た貨幣流通
       解説I-3 荘園制研究の新展開

テーマI 贈与と経済活動

  第II部 経済社会の展開
       —— 近世から近代へ

はじめに —— 身分制的制約の下での「市場経済」

第3章 開発の17世紀
      —— 石高制の浸透
     序 17世紀の世界的危機と日本
     1 石高制と三貨制度
     2 小農自立と村請制
     3 近世商人の登場と幕藩制的市場の全国化
     4 大開墾と森林破壊
       解説II-1 石高制と商品生産

第4章 変質の18世紀
      —— 領主経済の変質的拡大
     序 世界経済の「大分岐」と18世紀の日本
     1 貨幣改鋳と幕府の経済政策
     2 手工業技術の伝播と特産物生産の進展
     3 三都商人と株仲間
     4 家族小経営と村落共同体
       解説II-2 琉球貿易の構造と流通ネットワーク
       解説II-3 歴史人口学と生活水準
       解説II-4 家族史研究の新展開

第5章 成長の19世紀
      —— 地方主導の経済成長
     序 自由貿易世界の成立と近代初頭の日本
     1 銀価低落と経済政策
     2 商業的農業の進展と農民生活
     3 兼業型農村工業と専業型都市工業
     4 商人の活動と複層的な市場
     5 消費生活と社会的危機への対応
       解説II-5 農村工業化とファッション
       解説II-6 資源循環と地域社会

テーマII 環境と経済活動

  第III部 経済社会の成熟
       —— 近代から現代へ

はじめに —— 近代法秩序の下での市場経済社会

第6章 苦闘の20世紀初頭~1920年代
      —— 金本位制下の国際収支天井
     序 帝国主義世界の成立と日本の近代
     1 国際収支の天井と経済政策
     2 産業革命と工業化
     3 地主制の展開と植民地農業
     4 交通網の変容と商品流通
     5 都市化と生活環境
       解説III-1 産業革命研究の新展開
       解説III-2 ジェンダー・労働市場研究の新展開
       解説III-3 モダニズムと大衆消費社会

第7章 転換の1930年代~60年代
      —— 統制経済をはさんだ経済成長
     序 転換期世界経済の実相と日本社会の現代化
     1 高橋財政から戦後経済政策へ
     2 「内需」主導の重化学工業化
     3 地主制の後退と戦後農政
     4 大規模小売商と流通系列
     5 大衆消費社会の実像
       解説III-4 財界論
       解説III-5 植民地と工業化
       解説III-6 高度成長と公害

第8章 国際化の1970年代~21世紀初頭
      —— 輸出依存の経済とその限界
     序 トランスナショナル経済の展開と現代日本
     1 財政再建と金融・証券の自由化
     2 「外需」主導の産業構造とその変容
     3 国際化のなかの日本農業
     4 流通・消費の多様化と環境問題
     5 21世紀初頭の日本経済
       解説III-7 トヨタ生産方式の展開
       解説III-8 日本における社会福祉研究の新展開

テーマIII 科学技術と経済活動

終 章 明日への模索
      —— 資源節約型環境立国へ

入門ガイド 日本経済の歴史を学ぶ

 参考文献
 あとがき
 索 引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。