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イギリスのフィランスロピーと南アフリカ善意の帝国

善意の帝国 イギリスのフィランスロピーと南アフリカ

A5判 466ページ
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-8158-1174-7 C3022
奥付の初版発行年月:2024年12月 / 発売日:2024年12月上旬
発行:名古屋大学出版会  
発売:名古屋大学出版会
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内容紹介

国内の弱者をこえ、奴隷や先住民にも救いの手を伸ばそうとした帝国大の「善意」。救済・福祉・支配がかさなりあうその姿とは? 植民地における人道主義の活動とイデオロギーを克明に跡づけ、非白人への屈折したまなざしや人種隔離との両義的関係を析出。大西洋に広がる慈善のネットワークも視野に、チャリティの可能性と限界、そして現代への遺産に迫る。

著者プロフィール

大澤 広晃(オオサワ ヒロアキ)

1980年生まれ
2009年 ロンドン大学キングズカレッジ大学院歴史学研究科博士課程修了
南山大学外国語学部准教授などを経て、
現 在 法政大学文学部准教授、Ph.D.(History)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 凡例・略称一覧

序 章 帝国の善意
     1 帝国フィランスロピーとは何か
     2 課題設定と分析方法
     3 先行研究と本書の位置
     4 本書の構成

  第Ⅰ部 イギリス

第1章 「資本家」を糾弾する
      —— 19~20世紀転換期の原住民保護協会
     1 帝国フィランスロピーと APS
     2 南アフリカ戦争と帝国フィランスロピー
     3 南アフリカ戦争後のアフリカ人労働問題
     4 帝国フィランスロピーと隔離
     5 「フィランスロピーの衰退」
       —— 世紀転換期イギリス社会における APS

第2章 「救う側」の論理、「救われる側」の不満
      —— 草創期の反奴隷制および原住民保護協会
     1 ASAPS の創設
     2 南アフリカ連邦の誕生と隔離政策
     3 先住民支配と「信託」—— 第一次世界大戦と ASAPS

第3章 救済をめぐる同床異夢
      —— 戦間期の反奴隷制および原住民保護協会
     1 国際化と新機軸の模索 —— 1920年代の組織と思想
     2 産業化と福祉 —— 1920年代末~30年代の組織と思想
     3 隔離の両義性と支援の実践 —— 1920年代の南アフリカと ASAPS
     4 介入の限界 —— 1930年代の南アフリカと ASAPS

  第Ⅱ部 南アフリカ

第4章 隔離と科学
      —— ヨーロッパ人・アフリカ人協議会の誕生
     1 ヨーロッパ人・アフリカ人協議会の創設
     2 帝国フィランスロピー・ネットワークのなかの協議会
     3 草創期の協議会 —— 人と思想

第5章 包摂と隔離のあいだ
      —— 1920~30年代前半のヨーロッパ人・アフリカ人協議会
     1 カラーバーと労働者の組織化
       —— ヘルツォーク政権の隔離政策
     2 「不法行為」の管理と抑止
       —— 都市のアフリカ人を取り巻く諸問題
     3 農村部の貧困へのアプローチ —— 保護から開発へ
     4 危機の時代の協議会 —— 1930年代前半の思想と課題
     5 都市での労働問題 —— 低賃金と出稼ぎをめぐって
     6 解決策としての隔離 —— 労働問題と農村開発
     7 世界恐慌下におけるフィランスロピーの実践
       —— 救貧が直面した困難

第6章 広がる可能性、閉ざされる未来
      —— 1930年代後半~40年代のヨーロッパ人・アフリカ人協議会
     1 経済成長の時代と協議会 —— 1930年代後半の思想と活動
     2 「多様な可能性の時代」の協議会 —— 第二次世界大戦へ
     3 衰退と遺産

終 章 善意のゆくえ
     1 善意の来し方
     2 善意の行く末

 あとがき
 注
 参考文献
 索 引


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