ブータンの花 新版
価格:4,950円 (消費税:450円)
ISBN978-4-8329-1395-0 C0045
奥付の初版発行年月:2011年12月 / 発売日:2011年12月上旬
照葉樹林文化論の提唱者として著名な中尾佐助と,ダショーの尊称と国葬という最高の礼をもって葬られた西岡京治の師弟による最初で最後の共著である。中尾佐助の世界を広く探検して得た豊かな知識と,西岡京治の農業指導のためブータン各地を歩いて生活者の視点から撮影した写真が,本書にみごとに結晶している。
経済的数値よりも幸福度指数を重視するブータン王国の,花や植物など豊かな自然だけではなく,現在では失われつつある伝統文化の一端が,中尾佐助と西岡京治の鋭い視線で切り撮られている。
中尾 佐助(ナカオ サスケ)
1916年(大正5年)愛知県生まれ.京都大学農学部農林生物学科卒.専攻は育種学,栽培植物学.1961 -1980年大阪府立大学教授.著書に『栽培植物と農耕の起源』『ヒマラヤの花』『秘境ブータン』『ニジェールからナイルへ』『照葉樹林文化』『料理の起源』『現代文明ふたつの源流』ほか
西岡 京治(ニシオカ ケイジ)
1933年(昭和8年)京城(現在のソウル)生まれ.大阪府立大学農学部園芸農学科卒.1964年以来,コロンボ計画農業専門家としてブータンに滞在.ブータン政府開発省農業局(後の農業森林省)勤務.1985年第4代ブータン国王より“DASHO”の称号を授与される.1992年,勲五等雙光旭日章を受章.著書に民族探検の旅第3集インド・ヒマラヤ編『ヒマラヤの王国ブータン』,里子との共著に『ブータン・神秘の王国』,ほかに,アサヒグラフ「神秘の王国」など写真レポート多数
目次
序
第1章 ブータン・ヒマラヤの植生ゾーン
熱帯のインド国境/照葉樹林帯/中流部乾燥河谷/中央部耕作地帯の谷/針葉樹林帯/高山植物帯/国境のヒマラヤ主脈
第2章 シャクナゲの宝庫
植物の装飾としての利用
第3章 ヒマラヤの名花サクラソウと青いケシ
第4章 高山帯を彩る
第5章 キク科の多様な世界
第6章 低地と高地の草本
第7章 食虫植物と寄生植物
第8章 バラとサクラ
第9章 いろいろな樹木と灌木
第10章 見事なランの世界
第11章 目ざましい単子葉植物
第12章 ブータンの民族植物学
水田稲作/畑作/ヤマノイモ類/サトイモ類/ソバ/野菜/キノコ/酒/根茎の水晒し/毒豆の食べ方/ヤドリギの茶 /ナッツ・オイル/儀礼と宗教に関する木/香を炊く/竹と籐製品/Yula竹とBangchuかご/紙づくり/イラクサとアカネ/野生の蚕とムクロジ/ラック/リュウキュウアイ/手織り機と織物/ろくろと漆器/ジンコウ(沈香)
謝辞
『ブータンの花新版』刊行にあたって
索引