産業医制度の研究
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-8329-5941-5(4-8329-5941-7) C3032
奥付の初版発行年月:1998年02月 / 発売日:1998年03月下旬
1972年制定の「労働安全衛生法」の下,産業医問題は主に医学の視点から論じられてきた. しかし,近年の産業構造の変容と労働態様の変化は, 法律学の視点からも総合的な検討を迫られるに至っている. 本書は産業医の法律問題のほぼ全てを網羅したわが国初の著作である.
保原 喜志夫(ホバラ キシオ)
北海道大学法学部教授.労働法・社会保障法
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
第Ⅰ部 産業医制度の検討
第 1章 労働安全衛生法の制定と産業医 (保原喜志夫)
第 2章 産業医制度の問題点 (保原喜志夫)
第 1節 産業医のサービスを受けるべき労働者
第 2節 産業医の専門性の確保
第 3節 産業医の職務と勧告権
第 4節 産業医の身分保障
第 5節 健康診断とプライバシー
第Ⅱ部 産業医活動の実際 (庄司榮徳)
第 1節 工業化の進展と産業保健の構築
第 2節 職業病の概要とラマッツィーニ
第 3節 戦後50年,産業保健の確立と発展
第 4節 産業医の職務と活動
第 5節 これからの課題と法律問題
第Ⅲ部 産業医をめぐる法律問題
第 1章 産業医の法的地位 (坂本宏志)
第 1節 専属産業医と嘱託産業医との区分
第 2節 産業医の独立性・中立性
第 3節 産業医の職務と健康診断
第 4節 産業医の権限
第 5節 労働者としての産業医
第 2章 産業医の活動とプライバシー—労働安全衛生法の法的性質を踏まえて (渡辺 賢)
第 1節 労働安全衛生法の法的効力
第 2節 産業医の活動とプライバシー
第Ⅳ部 諸外国の産業医制度
第 1章 ドイツ (倉田 聡)
第 1節 産業保険法制における産業医の位置づけ
第 2節 産業医の職務執行における独立性の確保
第 3節 健康管理業務の実施と労働者のプライバシー保護
第 4節 日本法への示唆
第 2章 フランス (加藤智章・保原喜志夫)
第 1節 労働安全衛生制度の枠組
第 2節 労働医制度の枠組
第 3節 労働医の職務と権限
第 3章 アメリカ (品田充儀)
第 1節 アメリカ労働安全衛生法と産業保健制度
第 2節 産業保健・産業医の現状
第 3節 産業医の職務をめぐる法的問題
第 4章 イギリス (片桐由喜)
第 1節 イギリス労働安全衛生法制度
第 2節 産業保健活動の実際
第 3節 産業保健と家庭医
第 4節 産業医の養成
第 Ⅴ部 産業医制度の改善(座談会)