環境の価値と評価手法 CVMによる経済評価
価格:5,170円 (消費税:470円)
ISBN978-4-8329-6011-4(4-8329-6011-3) C3033
奥付の初版発行年月:1999年12月 / 発売日:1999年12月下旬
生態系破壊の損害を金額で評価するCVM(仮想評価法)の理論的背景の検討とわが国の湿原および河川生態系を対象とした実証分析に基づき,新たな生態系保全政策を提唱.開発か保護か,生態系を巡る対立に一石を投ずる気鋭の意欲作.自然保護・環境行政関係者,学生・研究者必読の書.
栗山 浩一(クリヤマ コウイチ)
早稲田大学政治経済学部専任講師.環境経済学専攻.
主要著書:
公共事業と環境の価値—CVMガイドブック (築地書館,1997)
環境評価ワークショップ (共著,築地書館,1999)
目次
序 章 なぜ環境の価値評価が必要なのか?
0.1 環境価値の多様性と環境問題
0.2 環境の価値評価の必要性
0.3 本書の課題
0.4 本書の構成
第1章 生態系の価値とその評価
1.1 なぜ生態系破壊が生じるのか?
1.2 生態系の価値とは何か?
1.3 生態系の価値評価
1.4 生態系の破壊とCVMによる評価
1.5 CVMは生態系価値を評価できるのか?
第2章 基礎概念
2.1 私的財の価値とその貨幣測度
2.2 環境財の価値とその貨幣測度
2.3 弱補完性アプローチによる評価
2.4 ヒックス中位性アプローチ
2.5 受動的利用価値
2.6 環境価値の集計化
第3章 仮想評価法(CVM)の理論と応用
3.1 CVMによる評価
3.2 CVMの信頼性
3.3 CVMの質問方法
3.4 バイアスとその原因
3.5 二項選択方式
3.6 支払意志額 対 受入補償額
3.7 CVMをめぐる論争
3.8 NOAAガイドライン
3.9 CVM研究の今後の課題
補 論 アメリカにおける環境政策とCVM
1 損害評価におけるCVMの役割
2 規制の意志決定におけるCVMの役割
第4章 河川生態系とダム開発—函館市松倉川の事例
4.1 はじめに
4.2 松倉川と松倉ダム
4.3 CVMによる評価
4.4 アンケート集計結果
4.5 推定結果
第5章 生態系価値の信頼性
5.1 フルモデルによる評価
5.2 スコープテストによる検証
5.3 生態系に関する知識の影響
5.4 下方バイアスの検証
5.5 評価結果の信頼性の検証
5.6 松倉川の生態系価値の評価
5.7 河川政策の今後の課題とCVMの役割
第6章 湿原生態系の評価と倫理的満足
6.1 はじめに
6.2 釧路湿原の概況
6.3 先行研究と分析方法
6.4 釧路湿原のレクリエーション価値
6.5 釧路湿原の景観価値—CVMによる評価
6.6 集計価値とその考察
6.7 湿原生態系の評価
6.8 生態系価値の評価とその考察
6.9 倫理的満足による影響
6.10 倫理的満足による影響の評価
6.11 結論
第7章 結論と今後の課題