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先進国の政策と事例に学ぶ生物多様性保全と環境政策

生物多様性保全と環境政策 先進国の政策と事例に学ぶ

畠山 武道:編著, 柿澤 宏昭:編著
A5判 436ページ
価格:5,500円 (消費税:500円)
ISBN978-4-8329-6631-4(4-8329-6631-6) C3036
奥付の初版発行年月:2006年03月 / 発売日:2006年03月下旬

内容紹介

アメリカ,フランス,スウェーデン,フィンランド,ニュージーランドを取り上げ,各国の法制度から計画策定プロセスまで,実地調査も踏まえ,その具体的内容を総合的に分析した共同研究の成果。

著者プロフィール

畠山 武道(ハタケヤマ タケミチ)

1944年生まれ
現在 上智大学大学院地球環境学研究科教授
著書 『自然保護法講義』[第2版](北海道大学図書刊行会,2004年),『環境法入門』[第2版]〈共著〉日本経済新聞社,2003年),『アメリカの環境保護法』(北海道大学図書刊行会,1992年)ほか

柿澤 宏昭(カキザワ ヒロアキ)

1959年生まれ
現在 北海道大学大学院農学研究科助教授
著書 『ロシア-森林大国の内実』〈編著〉(日本林業調査会,2003年),『講座環境社会学』[第3巻]「自然環境と環境文化」〈分担執筆〉(有斐閣,2001年),『エコシステムマネジメント』(築地書館,2000年)ほか

上記内容は本書刊行時のものです。

目次



1. 総  論
   ──先進国における自然資源管理政策の動向と課題——
 1.1. はじめに
 1.2. 「自然環境」とは何か,「保全」とは何か
 1.3. 近代的自然資源管理制度の確立
 1.3.1. 自然保護法制の形成
 1.4. 近代的自然資源管理制度の特徴
 1.4.1. 地理的・場所的な分割による管理
 1.4.2. 自然資源管理機関の専門化・細分化
 1.4.3. 行政機関ごとに分断された顧客,利害関係者
 1.4.4. 異なる学問分野,相互交流のない技術専門家
 1.4.5. 管理されない自然資源
 1.5. 近代的自然資源管理制度の転換
 1.5.1. 規制的手法の限界
 1.5.2. 生態学的知見の発達
 1.6. 新しい自然資源管理制度の模索
 1.7. 本書の概略

2. エコシステムマネジメントの進展と課題
──アメリカ合衆国における多様な取り組み——
2.1. クリントン政権による未完の実験
──連邦行政機関の取り組み
2.1.1. エコシステムマネジメントの歴史
2.1.2. エコシステムマネジメントの理論
2.1.3. エコシステムマネジメントに対する批判と反論
2.1.4. エコシステムマネジメントから流域管理へ
2.2. 西海岸における流域保全の展開
2.2.1. ワシントン州の流域保全の取り組み
2.2.2. オレゴン州の流域保全の取り組み
2.2.3. アダプティブマネジメントの実行に向けて
2.2.4. 小括
2.3. アメリカ東海岸における流域保全
    ──コミュニティをベースとする流域管理の実践
2.3.1. はじめに
2.3.2. ニューイングランドにおけるエコシステムマネジメントの条件
2.3.3. マサチューセッツ州における流域管理の展開
2.3.4. むすびに代えて

3. EU自然保護政策と「ナチュラ2000」
   ──生態域保護指令の実施過程におけるEUとフランス──
3.1. はじめに──「ナチュラ2000」とは?
3.2. 保存特別区(ZSC)指定の考え方
3.2.1. 保存特別区の指定および保護方法に関する考え方
3.2.2. ナチュラ2000により保護される区域
3.2.3. ナチュラ2000構築のタイムテーブル
3.3. 加盟各国による候補地リストの提案
    ──「EUにとって重要な生態域」リストの策定
3.3.1. リスト提案までの国内手続
3.3.2. 候補地選定の実体的基準
3.3.3. 候補地選定に関するフランス国内手続
3.4. EU委員会による候補地リストの確定
3.4.1. 候補地リスト確定手続
3.4.2. 候補地確定の基準
3.5. 優先的保護を受ける自然生態域類型および動植物種
3.5.1. 加盟各国による優先保護候補地の選定
3.5.2. 「優先保護生態域」に関するEUの追加指定権(生態域保護指令5条1-4項)
3.6. ZSC指定の法効果──加盟各国にはどのような義務が生じるか
3.6.1. 保存措置
3.6.2. 劣悪化や支障要因に対する適切な回避措置
3.6.3. 指定区域に対し顕著な影響を及ぼす計画や事業に対する諸制約
3.7. 候補地選定の遅延とEU・加盟国間関係
3.7.1. 候補地リスト提出の遅延
3.7.2. EU委員会・フランス間訴訟
3.8. 保護実施局面における協議・契約手法
3.8.1. EU農業政策における生態系保護の取り組み
3.8.2. 協議手法の重要性
3.8.3. 環境農業推進のための契約手法
3.9. むすび

4. スウェーデンにおける総合的環境法制の形成
   ──歴史と現状──
4.1. はじめに
4.2. アレマンスレット
    ──スウェーデン社会における人間と自然の関係
4.3. 自然保護の理念──史的素描
4.3.1. 科学主義の高揚
4.3.2. 科学から実践へ
4.3.3. 国際的協働の時代
4.4. 自然保護法制の変遷
4.4.1. 自然保全法
4.4.2. 環境保護法
4.4.3. 自然資源管理法
4.4.4. 計画・建築法
4.5. 持続可能な発展と環境目標
4.5.1. 持続可能な発展をめざして
4.5.2. 健全な森林
4.5.3. 変化に富んだ農業景観
4.6. 持続可能な発展と環境法典
4.6.1. 環境法典化の潮流の中で
4.6.2. 一般的配慮規定
4.6.3. 事業の許容性の全国的見地からの審査
4.6.4. 環境裁判所
4.7. 自然保護の担い手
4.7.1. 行政機関
4.7.2. 財  団
4.8. 自然保護区による自然保護
4.8.1. 国立公園
4.8.2. 自然保護地域
4.8.3. 沿岸保護区域
4.8.4. その他の保護区
4.9. 法解釈上の問題
4.9.1. 利益衡量の要請
4.9.2. 損失補償についての考え方
4.10. 総合的考察
4.10.1. 自然好きの意味
4.10.2. スウェーデンの自然保護法制の特色
4.10.3. 専門知識の吸収と結合

5. 北欧における生物多様性保全と農業・林業
5.1. スウェーデンの農業環境政策
5.1.1. はじめに
5.1.2. スウェーデン農業の概況
5.1.3. 農業環境政策の経過
5.1.4. 旧農業環境プログラム(1995-99年)の内容と実績
5.1.5. 環境・農村振興計画(2000-06年)の内容と実績
5.1.6. スウェーデンの農業環境政策の成果と課題
5.1.7. 小  括──日本の農業環境政策が学ぶべきこと
5.2. スウェーデンにおける生物多様性保全と森林管理
5.2.1. はじめに
5.2.2. 森林政策の変化
5.2.3. 森林認証をめぐるスウェーデンの動き
5.2.4. ソドラ(森林組合)管内の事例
5.2.5. 森林セクターにおける生物多様性保全の特徴──まとめにかえて
5.3. フィンランドにおける森林政策の転換と地域森林認証制度
5.3.1. フィンランドの森林と林業・林産業の現状
5.3.2. 森林政策の展開と生態系保全政策の強化
5.3.3. 森林政策を担う組織体制および自然環境保全行政一般との関係
5.3.4. 地域森林認証制度が成立する条件とその限界

6. 地方分権・新自由主義のもとでの総合的資源管理
   ──ニュージーランドにおける資源管理制度の現状と課題──
6.1. はじめに
6.2. ニュージーランドにおける環境政策の改革とRMA実行の現状
6.2.1. ニュージーランドにおける環境政策の改革
6.2.2. 地方自治体の概況とRMA実行の状況
6.3. ディストリクトプランにみる生物多様性と農業景観の保全
6.3.1. 農業地域における生物多様性と農業景観
6.3.2. 旧都市農村計画との違い
6.3.3. ワイマカリリ・ディストリクトにおけるDP策定の実際
6.3.4. ワイタケレ市におけるDPの実際
6.3.5. その他の事例
6.3.6. 小  括
6.4. RMAのもとでの資源管理の評価
6.4.1. 地方自治体による計画策定
6.4.2. 資源管理の手法
6.4.3. 中央政府の活動
6.4.4. 資源管理の総合性確保
6.4.5. RMA改正作業の動向

7. ま と め
 近代的自然資源管理政策の限界
 エコシステムマネジメントの登場
 総合的な資源管理
 分権的な資源管理
 国境の枠を越えた取り組み
 協働関係の構築
 新しい資源管理——啓発的手法,自発的アプローチ
 科学的な管理——アダプティブマネジメント
 分権化の態様と資源管理システム

執筆者紹介
索  引




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