アメリカの国有地法と環境保全
価格:6,160円 (消費税:560円)
ISBN978-4-8329-6675-8 C3032
奥付の初版発行年月:2007年06月 / 発売日:2007年06月下旬
合衆国の建国から1970年代までの国有地管理政策につき、環境保全思想の変化とそれが国有地管理法制度・政策、国有地管理行政機関の活動に与えた影響を、主に法制度の変遷に注目しながら制度史的に分析・解明。今後の日本の環境保全政策を考えるうえで大きな示唆を与える。
鈴木 光(スズキ ヒカル)
北海学園大学法学部准教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序 章 国有地管理の現況と環境保全
一 はじめに
二 合衆国国有地の現況
三 本書の視座
四 本書の概要
第一章 パブリック・ドメインの獲得と処分(建国−一八八〇年代)
第一節 パブリック・ドメインの拡大
第二節 パブリック・ドメインの処分と一般土地局の成立
一 「明白な運命」と西部入植
二 初期の処分政策
三 先買権法
四 一八六二年ホームステッド法
五 その他のパブリック・ドメイン処分政策
六 一般土地局の成立
第三節 国有地処分法の濫用
一 国有地処分法の濫用
二 一般土地局による執行体制の不備
第二章 革新主義時代の国有地管理と自然保護(一八九〇年代−一九〇七年)
第一節 国立公園の成立
一 自然保護思想の誕生
二 ヨセミテとイエローストーン
第二節 国有林制度の成立
一 森林保護制度の前史
二 森林保護制度の展開
三 革新主義の時代
第三章 国有放牧地と未完の改革(一八八〇年代−一九三四年)
第一節 放牧とその影響
一 西部における放牧の濫觴
二 放牧の拡大と自然破壊
第二節 パウエルと土地制度改革
一 合衆国の乾燥地帯の土地に関する報告書
二 土地制度改革の進行と挫折
第三節 ローズヴェルト政権の試み
一 資源保全運動の台頭
二 ローズヴェルト政権の試み
第四節 放牧地賃貸法案をめぐる攻防
一 放牧に関する初期の法案
二 一九〇四年キンケイド法
三 一九〇九年入植拡大法
四 一九一六年牧畜入植法
五 放牧地賃貸運動の挫折
第五節 テイラー放牧法と国有地処分の終焉
一 一九二〇−三〇年代の西部国有地
二 実験放牧区に対する支援とその成功
三 放牧地賃貸法案をめぐる議論
四 一九三四年テイラー放牧法
第四章 ニュー・ディールと新たな国有地管理機関の創出(一九三〇年代−一九四〇年代)
第一節 国有地管理のための人材育成
第二節 荒廃した草地の復興
第三節 土壤保全局の設立
第四節 地方電化政策
第五章 国民的余暇時代と国有地管理政策(一九五〇年代−一九六〇年代)
第一節 野外レクリエーションの胎動
一 一九二四年野外レクリエーション全国協議会
二 一九二六年レクリエーションおよび公共目的法
三 国有地問題の検討委員会
四 一九三六年公園・公園道路およびレクリエーション地域調査法
五 レクリエーション専門委員会
第二節 戦後復興とレクリエーション・ブームの本格的到来
一 国有地管理をめぐる争点
二 自然保護運動の再来
第三節 全国野外レクリエーション資源再調査委員会の設置
一 一九五八年野外レクリエーション再調査法
二 全国野外レクリエーション資源再調査委員会の設置
第四節 国有地法再調査委員会の設置
一 報告書『国土の三分の一』
二 小 括
第六章 多目的利用原則と国有林管理(一九六〇年−一九七六年)
第一節 国有林をとりまく状況の変化
一 レクリエーション利用の増加
二 木材需要の高まり
三 原生自然保護運動の高まり
第二節 一九六〇年多目的利用・持続的収穫法の制定
一 制定の背景
二 ハンフリ法案の提出
三 法案への反対
四 連邦議会における審議経過
五 多目的利用原則導入の意義と課題
六 多目的利用・持続的収穫は裁量基準たりうるか
第三節 一九七四年森林草地再生資源計画法の制定
第四節 一九七六年国有林管理法の制定
一 皆伐論争とマノンガヒーラ判決、森林局の敗北
二 一九七六年国有林管理法の制定
三 一九七六年国有林管理法の内容と評価
第七章 内務省土地管理局の誕生と新たな使命(一九四六年−一九七六年)
第一節 土地管理局の誕生
一 一般土地局と放牧局の時代
二 土地管理局の成立
三 土地管理局の始動
四 レクリエーション・ブームへの対応
第二節 一九七六年国有地政策管理法の制定
一 忘れられた国有地と土地管理局の努力
二 国有地の包括的管理の試み−−プロジェクト二〇一二
三 一九六四年地種区分・多目的利用法
四 一九七六年国有地政策管理法
おわりに
索 引