現代社会と統計 1
社会の変化と統計情報
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-8329-6703-8 C3033
奥付の初版発行年月:2009年06月 / 発売日:2009年06月下旬
変動する現代社会を統計はどのように写し取ることができるのか。現代進行中の統計改革論議や,ジェンダーやエスニックなど従来の統計では把捉が困難な社会的集団の統計への反映方法,そしてこのような社会を認識するために統計理論が持つ有効性について検討する。
杉森 滉一(スギモリ コウイチ)
中央大学経済学部教授(第8章)
木村 和範(キムラ カズノリ)
北海学園大学経済学部教授(第6章)
金子 治平(カネコ ジヘイ)
神戸大学大学院農学研究科教授(第1章)
上藤一郎(ウエフジ イチロウ)
静岡大学人文学部教授(第9章)
岡部純一(オカベ ジュンイチ)
横浜国立大学経済学部教授(第2章)
山田 満(ヤマダ ミツル)
高崎商科大学短期大学部特任教授(第3章)
作間逸雄 (サクマ イツオ)
専修大学経済学部教授(第4章)
岩崎俊夫(イワサキトシオ)
立教大学経済学部教授(第5章)
杉橋やよい (スギハシ ヤヨイ)
金沢大学経済学経営学系准教授(第7章)
藪内武司(ヤブウチ タケシ)
岐阜経済大学経済学部教授(岐阜経済大学名誉教授)(第10章)
池田 伸(イケダ シン)
立命館大学経営学部教授(第11章)
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序 文
第1部 統計制度と政治過程
第1章 公共財としての統計
はじめに
1.統計改革過程での議論と「公共財」としての統計
2.統計調査への協力の変化
3.統計の公共財的性質と調査への協力意識
おわりに——利己的な個人を超えて
第2章 未観測経済の計測論序説
はじめに
1.OECDの『未観測経済計測ハンドブック』の背景と基本的性格
2.未観測経済の概念
3.未観測経済の計測
おわりに
第3章 米国2000年人口センサスと公共圏——数え上げられる権利を求めて
はじめに
1.米国センサス史の中の2000年センサス
2.実査過程の中での米国2000年センサス
結論に向かって——統計活動と公共圏のポリティクス
第4章 Network Rail Status問題と英国統計制度
はじめに
1.National Statisticsと統計委員会
2.英国国鉄民営化後の状況の概観
3.Network Rail Status問題の展開
おわりに
第2部 統計調査と統計利用の新展開
第5章 情報環境の変容と社会統計学の課題—— 「データ」・社会統計・経済理論
はじめに
1.情報環境の変容と「データ」理論
2.経済理論への関心の後退——価格指数論を例に
3.経済理論とモデルの切断——産業連関分析を例に
おわりに 126
第6章 所得格差の統計的計測——平均対数偏差と「見かけ上」の格差
はじめに
1.ペイグリンの問題提起
2.ジニ係数の分解
3.平均対数偏差
おわりに
第7章 ジェンダー統計の現状と課題——日本を中心に
はじめに
1.ジェンダー統計とは何か
2.世界・日本におけるジェンダー統計活動および研究の展開——1975年以降
3.今後の課題——日本を中心に
第8章 エスニシティ統計調査の二重性——測定する活動と区別する実践
はじめに
1.エスニシティ統計の作成
2.エスニシティ調査の性格
3.エスニシティの概念
4.エスニシティ調査の方法
5.エスニシティ調査におけるエスニシティの分類
おわりに
第3部 統計と統計学の歴史的再検討
第9章 統計学と国家科学——社会統計学の一原型をめぐって
はじめに
1.17世紀における「統計」概念
2.19世紀初頭におけるドイツ国状学
む す び
第10章 生計問題と家計統計の系譜——事例調査(ミクロ的視点)から統計的観察(マクロ的観点)へ
はじめに
1.生活調査の発端
2.家計調査の成立と軌跡
3.「家計調査」狂時代の現出
4.統一的家計調査の展開と調査ブームの終息
おわりに
第11章 想像の数字——ナショナリズムと近代的統計システム
はじめに
1.ナショナリズムと近代の諸制度
2.近代的統計システム
3.統計システムの観察
おわりに
事項索引
人名索引