スラブ・ユーラシア叢書 8
日本の国境・いかにこの「呪縛」を解くか
価格:1,760円 (消費税:160円)
ISBN978-4-8329-6717-5 C3031
奥付の初版発行年月:2010年01月 / 発売日:2010年01月下旬
日本を取り巻く3つの国境問題−尖閣・竹島・北方領土。このチャレンジをどう乗り越えるべきか?ヨーロッパ,コーカサス,中央アジア,南アジアなど世界の事例から考える。国際関係・国際法・安全保障・経済・社会・歴史・民族・文化など多様な視点から踏み込む,日本初の本格的な国境問題研究!
岩下明裕(イワシタ アキヒロ)
所 属—北海道大学スラブ研究センター教授
専門分野—ロシア外交、特にロシアとアジアの国際関係
山田吉彦(ヤマダ ヨシヒコ)
所 属—東海大学海洋学部海洋文明学科教授
専門分野—海洋政策、海洋管理
長嶋俊介(ナガシマ シュンスケ)
所 属—鹿児島大学多島圏研究センター教授
専門分野—島嶼学、島嶼経営学、生活環境学
黒岩幸子(クロイワ ユキコ)
所 属—岩手県立大学共通教育センター准教授
専門分野—ロシア現代思想
原貴美恵(ハラ キミエ)
所 属—ウォータールー大学レニソン東アジア研究教授
専門分野—アジア太平洋地域の国際関係・地域紛争
工藤信彦(クドウ ノウブヒコ)
所 属—社団法人全国樺太連盟理事
専門分野—近現代詩研究、学校教育論
須藤真哉(スドウ シンヤ)
所 属—北海道新聞東京支社政経部
担 当—内閣府・財務省
田村慶子(タムラ ケイコ)
所 属—北九州市立大学大学院社会システム研究科教授
専門分野—国際関係論、東南アジア地域研究
古川浩司(フルカワ コウジ)
所 属—中京大学法学部准教授
専門分野—国際関係論
山上博信(ヤマガミ ヒロノブ)
所 属—国立民族学博物館共同研究員
専門分野—島嶼学、司法過疎地における司法サービスの充実について、小笠原学
佐藤由紀(サトウ ユキ)
所 属—早稲田大学社会科学総合学術院助手
専門分野—島嶼学、地政社会学
金 成浩(キム ソンホ)
所 属—琉球大学法文学部教授
専門分野—国際関係論、国際関係史
目次
国境 工藤信彦
序 章 「辺境」からの問いかけ 岩下明裕
第一部 海洋国家日本——「呪縛」との闘い
第一章 海に広がる国境の島々 山田吉彦
国土を形成する島々
国境離島の抱える問題——対馬と韓国
東シナ海の国境政策
おわりに
第二章 離島と国境——行政概史と経営戦略 長嶋俊介
はじめに——島々のつながり
取り残された遠隔島嶼域
千島における国境経営
行政分離・本土復帰
おわりに——離島振興政策と国境
第三章 北辺国境地帯「北方領土」 黒岩幸子
はじめに
日本とロシアの出会い
北方領土問題の誕生
実効支配の現実の下で
むすびにかえて——国境画定の海図を求めて
第四章 北方領土問題解決試案——北欧のオーランド・モデルから 原 貴美恵
はじめに
主権帰属問題の解決
多国間枠組みによる解決を求めて
住民の利害を尊重した自治・四島特別地域
島民権と二重国籍
日ロ二カ国語公用語化
非武装化
むすび
<エッセイ> 国境幻想——樺太で生まれ育ったものとしての 工藤信彦
<エッセイ> 北方領土問題の打開へ——カギ握る戦略的「四島交流」 須藤真哉
第二部 国境イニシアチブ——「辺境」からのまなざし
領土 工藤信彦
第五章 国境島嶼を考える——小笠原国境シンポジウムから 田村慶子
はじめに
シンポジウムの議論から
国境島嶼の発展とは
おわりに
第六章 国境地域の挑戦——自治体主導の「国際政策」にむけて 古川浩司
はじめに
自治体主導の「国際政策」の背景
自治体主導の「国際政策」の現状
自治体主導の「国際政策」の意義と問題点
おわりに
第七章 「屋敷まわり」としての小笠原 山上博信
はじめに
小笠原の歴史を振り返る
返還の際の法整備
おわりに
第八章 国境島嶼・小笠原の位置どりと国境意識 佐藤由紀
——母島におけるアンケート調査を手がかりとして
はじめに——国境意識がなぜ希薄なのか
考察の目的と手順
「島嶼性」とは何か?
「島嶼性」と住民の小笠原観
むすび——国境意識「潜在化」の要因
第九章 オキナワ・パブリック・ディプロマシー 金 成浩
はじめに——ソフト・パワーの時代
ソフト・パワーとパブリック・ディプロマシー
むすびにかえて——東アジア共同体と島嶼国家との連携の構築
あとがき——「境界研究の拠点形成」にむけて
<詩> 工藤信彦
国境
領土