野生イネの自然史 実りの進化生態学
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-8329-8061-7(4-8329-8061-0) C3045
奥付の初版発行年月:2003年10月 / 発売日:2003年10月下旬
野生イネは,きれいな花を咲かせることもなく良い匂いがするわけでもない,私たちには,ただの雑草にしか見えない地味な植物である。残念ながら日本には自生していない。著者の半数近くが「外国人」である理由はここにある。しかし,このつつましやかな植物が,世界の半分近い人間が主食としている「稲」を生んだ重要な野生植物なのである。本書ではわれわれ日本人にとってもっとも身近な植物である「稲」の祖先種をもとに植物の多様な適応戦略をさぐる。
森島 啓子(モリシマ ヒロコ)
東京農業大学教授
秋本 正博(アキモト マサヒロ)
帯広畜産大学畜産学部助手
安藤 晃彦(アンドウ アキヒコ)
元サンパウロ大学ルイス・デ・ケイロッス農科大学教授
才 宏偉(Cai, Hongwei)
日本草地畜産種子協会飼料作物研究所研究員
佐藤 雅志(サトウ タダシ)
東北大学大学院生命科学研究科助教授
佐藤 洋一(サトウ ヨウイチロウ)
静岡大学農学部助教授
島本 義也(シマモト ヨシヤ)
東京農業大学生物産業学部教授・北海道大学名誉教授
徐 學洙(Suh, Hak Soo)
嶺南大学生物資源学部教授
許 文會(Heu, Men Hue)
ソウル大学名誉教授
Vaughan, Duncan (Vaughan, Duncan )
農業生物資源研究所集団動態研究チーム・チーム長
米澤 勝衛(ヨネザワ カツエイ)
京都産業大学工学部教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序章 野生イネのプロフィール(森島啓子)
第Ⅰ部 野生イネの生活史
第1章 フィールドと実験室のあいだで(森島啓子)
第2章 種子とクローンの両方で殖える集団の遺伝理論(米澤勝衛)
第Ⅱ部 生きるためのさまざまな適応
第3章 イネ属二倍体CCゲノム種にみられる熱帯の森林‐サバンナ連続移行地帯への適応(ダンカン A. ヴォーン/森島啓子訳)
第4章 南米野生イネの旅:アマゾンからチャコまで(安藤 晃彦)
第5章 野生イネに内生する窒素固定エンドファイト(佐藤雅志)
第6章 雑草イネとは?(徐 學洙・許 文會)
第Ⅲ部 野生イネの過去,現在,未来
第7章 野生イネの考古学(佐藤洋一郎)
第8章 中国野生イネの実態(才 宏偉)
第9章 野生イネO. rufipogon集団の姿(島本義也)
第10章 野生イネは生き続けられるか(秋本正博)
引用・参考文献