阪大リーブル25
ベルリン、歴史の旅 都市空間に刻まれた変容の歴史
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-87259-308-2 C1322
奥付の初版発行年月:2010年10月 / 発売日:2010年10月上旬
第一次大戦の敗北と虚脱,激しいインフレ,ワ
イマール共和国の首都,ナチス支配の中心,そ
して壁建設と東西冷戦の最前線へ.20世紀を通
し,ベルリンほど歴史の荒波に翻弄された都市は
ない.ユダヤ系の文人や芸術家が活躍し,独自の
都市文化を生んだ都市.毎年のように現地を訪問
し,陰と陽の両側面からベルリンの魅力的貌を紹
介.
目次
序 『舞姫』のベルリン
枠構造の都市小説『舞姫』
「歐羅巴の新大都」ベルリン
「この自由なる大学」フリードリヒ・ヴィルヘルム大学
獣苑(ティーアガルテン)
「半天に浮かび出でたる凱旋塔の神女の像」
クロスター巷の古寺
マリーエン教会
「天に身を落とす」エリスの住まい
豊太郎の住むモンビシュウ街
ホテル・カイザーホーフ 公と私の対立構造
Ⅰ 中世から始まるベルリンの歴史
ケルンとベルリン—双子都市の誕生
熊の紋章とベルリン、ケルンの語源
橋で繋がれた古ベルリン地区とケルン地区
メムハルトのベルリン最古の地図
ウンター・デン・リンデンの建設
新地区の成立
武器庫(Zeughaus)と「瀕死の戦士」の彫刻
選帝侯から国王へ・王都ベルリンの誕生
王宮とシャルロッテン宮
軍人王フリードリヒ・ヴィル
ヘルム一世とプロイセン・ミリタリズム
フリードリヒ二世(大王)と無憂宮
フリードリヒ・フォーラムのオペラハウス
王立図書館(コモーデ)
フンボルトが創設したベルリン大学
ナポレオン戦争と「ドイツ国民に告ぐ」
日本人留学生も学んだ学都ベルリン
Ⅱ 凱旋パレードの舞台としてのリンデン街
ブランデンブルク門
ナポレオン軍にる城洗礼
「馬車泥棒」ナポレオン
フリードリヒ大王の騎馬像
三月革命の挫折と王権の再興
ビスマルクの登場、ケーニヒグレーツの会戦
普仏戦争の勝利とドイツ帝国の樹立
凱旋パレード
「新ノイエ・ヴァッヘ衛兵所」
帝政ドイツの官庁街・ヴィルヘルム通り
狂気の果ての夢の跡
Ⅲ 世紀末ベルリンと第一次大戦の敗北
科学技術の発展と都市基盤の充実
国会議事堂の建設
第一次大戦の勃発とウンター・デン・リンデン街の軍事パレード
敗戦と帝政の崩壊、共和国家の誕生
皇帝の退位から共和国宣言へ
混乱の続く首都ベルリン
政治空間の移動・共和国(旧国王)広場からヴィルヘルム街へ
西の繁華街クーアフュルステンダムと大衆文化の繁栄
ドイツ映画の黄金期伝説のベルリン・カフェ
旧オーストリアやロシアの詩人たち
膨張を続けるベルリン
エーベルトの死とヒンデンブルクの大統領選出
Ⅳ 寛容と迫害の都市空間
—ユダヤ文化の開花と抑圧—
啓蒙主義の首都
メンデルスゾーン、レッシング、ニコライの交友
ユダヤ人女性主催の
文学サロンと出版人ニコライ
ベルリン最初のユダヤ人墓地
ユダヤ系市民の活躍
ヴァイセンゼー・ユダヤ人墓地
「穀倉地区」への東方ユダヤ人の流入
Ⅴ 歴史の激動に翻弄されるベルリン
—ヴァイマル共和国の終焉から第三帝国を経て東西の分断へ—
シュトレーゼマンの葬儀
ヒトラーの首相就任
国会炎上
オペラ座広場での焚書
すべてを取り込むナチスの演出
ナチス第三帝国の中枢・ヴィルヘルム街
ベルリン・オリンピック
第二次世界大戦と第三帝国の崩壊
廃墟のベルリン
米英仏ソの四カ国共
同管理下のベルリン
ドイツ民主共和国(DDR)の首都再建
東西冷戦の最前線
壁の構築・引き裂かれた都市ベルリン
壁の展示場
Ⅵ 壁の崩壊と再統一
「陸の孤島」西ベルリン
封殺されたブランデンブルク門
地下鉄の幽霊駅
都心の国境
駅・フリードリヒシュトラーセ駅
対立緩和への動き
交通の要衝・ポツダム広場 廃
墟のポツダム広場
壁が走る冷戦下の最前線
首都再生の拠点
歴史を刻む国会議事堂
国会議事堂の再建
再生の首都を一望する展望テラス
新首相府と新中央駅