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砂と泥に生きる動物たち干潟の自然史

生態学ライブラリー11
干潟の自然史 砂と泥に生きる動物たち

四六判 206ページ
価格:2,310円 (消費税:210円)
ISBN978-4-87698-311-7(4-87698-311-9) C0345
奥付の初版発行年月:2000年06月 / 発売日:2000年06月下旬

内容紹介

カニ,魚,鳥,ヨシ,藻類……生物が複雑な生態系を織りなす干潟は,万葉集にもさかんに詠まれるなど,人々にとってきわめて身近な存在であった.水質の浄化や水産資源の維持などの面で干潟が果たす役割の重要性に注目するとともに,力ニたちのユニークなダンスなど,干潟を観察することそのもののわくわくするような魅力を紹介してゆく.

著者プロフィール

和田 恵次(ワダ ケイジ)

奈良女子大学理学部生物学科教授,理学博士.
1950年 和歌山市生まれ. 1979年 京都大学大学院理学研究科動物学専攻博士課程単位認定退学.京都大学理学部助手,奈良女子大学理学部助教授を経て現職.
専 門 :動物生態学,海洋生物学.
主 著
『渚の生物』(桑村哲生編,分担執筆,海鳴社,1981),『原色検索日本海岸動物図鑑Ⅱ』(西村三郎編,分担執筆,保育社,1995),『動物の自然史——現代分類学の多様な展開』(馬渡峻輔編,分担執筆,北海道大学図書刊行会,1995).

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第一章 干潟の環境とそこに生きる生物
1 干潟とは
2 底生動物
3 その他の生物
  閑話1・干潟でワニに出くわす
4 生物体量と密度
5 生息深度
  閑話2・干潟に埋まる
6 干潟におけるエネルギーの流れ
第二章 分布生態
1 環境条件からみた分布
2 生活期からみた分布——浮遊期
3 生活期からみた分布——底生期
4 潮の干満に伴う移動
  閑話3・冠水時の観察
第三章 生 活 史
1 卵から幼生そして成体へ
  閑話4・ホソウミニナの直達発生の発見
2 繁殖期の変異
3 繁殖努力と住み場所の安定性
第四章 社会行動
1 なわばりと順位
2 巣穴ふさぎ
3 砂泥構築物によるなわばり防衛
  閑話5・バリケードの発見
4 個体間そうじ行動によるなわばり維持
5 なわばりの大きさ
6 カニのダンス——ウェイビング
  閑話6・ウェイビングから新種の発見
7 発  音
8 配偶戦術
9 だましの戦術
10 親子関係
第五章 種間関係
1 捕  食
2 競  争
3 住み込み
4 寄  生
5 植物と底生動物との関係
  閑話7・マングローブ湿地で見たカニ類の奇妙な行動
第六章 地理的分布と系統関係
1 スナガニ類にみられる地理的分布の特徴
  閑話8・生息場所が干潟以外のスナガニ類
2 スナガニ科各亜科の系統関係
3 シオマネキ類の系統関係
4 社会行動の進化と系統関係
第七章 干潟の生物の現状と保全
1 干潟の価値
2 日本における干潟底生動物の現状
  閑話9・ドロアワモチの消失
3 干潟の生物減少の人為的要因と保全の方途

あとがき
本書で取り上げられた主な底生動物種の分類的位置
読書案内
引用文献
索  引


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