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京都大学講義「偏見・差別・人権」を問い直す

京都大学講義「偏見・差別・人権」を問い直す

A5判 292ページ 並製
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-87698-730-6 C0036
奥付の初版発行年月:2007年10月 / 発売日:2007年10月上旬

内容紹介

大学で人権を語るなど,どこか胡散臭い.話す前から,「人権は大切」というオチが見えるからだ.でも人権という言葉を切実に必要としている人びとがいるのもまた確かだ.では,どう語れば良いのか.無意識の恐れに満ちた社会にあって,人権を語るとは希望を語ることなのだ.大学人が自らの戸惑いや痛みを隠さずに語る型破りの人権本.

著者プロフィール

竹本 修三(タケモト シュウゾウ)

 1942年生まれ。京都大学理学部地球物理学科卒業,京都大学防災研究所助手,同理学部・理学研究科助教授を経て,理学研究科教授。この間,日本学術会議測地学研究連絡委員会委員長,日本測地学会会長,国際測地学協会地球潮汐委員会委員長などを歴任。現在,京都大学名誉教授。専門は,固体地球物理学・測地学。

 主な著書に,『レーザホログラフィと地震予知』共立出版株式会社:1987LaserHolographyinGeophysics,EllisHorwood Ltd.(Chichester, UK:1989)など。

駒込 武(コマゴメ タケシ)

 1962年生まれ。東京大学教育学部卒業,東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。現在,京都大学大学院教育学研究科准教授。専門は,植民地教育史,東アジア近代史。

 主な著書に,『植民地帝国日本の文化統合』岩波書店:1996年,『日本の植民地支配—肯定・賛美論を検証する』岩波書店:2001年,水野直樹らと共編,『帝国と学校』昭和堂:2007年,橋本伸也と共編。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

人権という言葉の廃墟から—もうひとつの「講義」への出発(駒込 武・友澤悠季)



第1講 「地球を救う」は人を救うか?—「環境問題」に潜む権力性(野田公夫・友澤悠季)

Column1 学問のなりたちを問い直す—「自主講座公害原論」から,いまへ



第2講 それぞれの夢の行方—〈私〉のなかの民族問題を考える(駒込 武・片田 晶・安岡健一)

Column2 朝鮮学校の歴史を知っていますか?

Column3 日本軍「慰安婦」問題と日本社会の世論



第3講 ジェンダーから点検する社会—性差別と向き合う(伊藤公雄)

Column4 なぜ彼女は野宿を続けるのか

Column5 性的少数者の多元的な「可視化」



第4講 自らを受け止めるとは—「障害」をめぐって(脇中 洋)

Column6 障害者として生きること

Column7 京都大学の身体障害者受入れについて

Column8 犯罪に巻き込まれる障害者



第5講 無関心な人々の共謀—部落差別の内実を問い返す(前平泰志)

Column9 事実として起こっている部落差別事件



演 習 メール討論 「障害」のある人・「障害者」であることをめぐって



京都大学・全学共通科目「偏見・差別・人権」に関して  —あとがきに代えて(竹本修三)



謝 辞


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