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熱帯林の恵み

学術選書021
熱帯林の恵み

四六判 290ページ
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-87698-821-1 C1361
奥付の初版発行年月:2007年02月 / 発売日:2007年02月中旬

内容紹介

熱帯林からは,丸太,製材品,パルプといった「木材林産物」ばかりではなく多様な「非木材林産物」も得られ,私たちの身近なところに使われているのだが,このような「熱帯林の恵み」についてはあまり知られていない.本書は,ドリアンやラック,籐など様々な熱帯林の産物を,豊富なカラー写真を交えながら紹介する.

著者プロフィール

渡辺 弘之(ワタナベ ヒロユキ)

1939年生まれ、
1961年高知大学農学部卒業、
1963年京都大学大学院農学研究科修士課程修了、
1966年同博士課程修了、京都大学助手(農学部附属演習林)、講師・助教授(農学研究科)を経て、1990年教授(熱帯林環境学分野担任)、
2002年退職。京都大学名誉教授。
この間、国際アグロフォレストリー研究センター(World Agroforestory Centre、ケニア、ナイロビ)理事(1999-2002)、日本土壌動物学会会長(1996-2000)、日本環境動物昆虫学会副会長(2000-2004)、日本林学会評議員・関西支部長(1998-2000)など歴任。専門分野は熱帯林生態学・熱帯非木材林産物・アグロフォレストリー・土壌動物学・森林動物学。
日本土壌動物学会賞(1993)
主な著書
南の動物誌(内田老鶴圃)、熱帯多雨林の植物誌(平凡社)、東南アジアの森林と暮し(人文書院)、Taungya: Forest plantations with agriculuture in southeast Asia (CAB International)、熱帯農学(朝倉書店)、アジア動物誌(めこん)、アグロフォレストリーハンドブック(国際農林業協力協会)、Handbook of agroforestry ( AICAF)、熱帯林の保全と非木材林産物(京都大学学術出版会)、カイガラムシが熱帯林を救う(東海大学出版会)、タイの食用昆虫記(文教出版)、東南アジア樹木紀行(昭和堂)、果物の王様ドリアンの植物誌(長崎出版)、ミミズと土(平凡社)、ミミズのダンスが土を潤す(研成社)、土壌動物の世界(東海大学出版会)、ミミズ(東海大学出版会)、樹木がはぐくんだ食文化(研成社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
プロローグ  熱帯の非木材林産物と私たちの暮らし
  熱帯林からの多様な非木材林産物
  森林先住民の伝統的知識の保護
1 ミャンマーのお化粧 「タナカ」は樹木の粉
2 ココヤシ(ココナッツ) もっとも頼りになる作物
3 ドリアン 大好きと大嫌い
4 ラックカイガラムシ 天然の赤い食品着色料
5 タケ 暮らしに密着・家屋からお箸まで
6 漬物茶 ゴールデン・トライアングルの珍味
7 ウルシ(漆)と漆器 各地にある伝統漆器
8 ラタン(籐) 地上最長の植物と高級家具
9 カジノキ 和紙の原料は東南アジアから
10 沈香と白檀 香木へのあこがれ
11 魚もエビも林産物? マングローブからの産物
12 トピアリー(鳥獣形刈り込み) 鳥獣になった樹木
13 チーク 造船材から高級家具材
14 シナモン(肉桂・桂皮) 増える需要・なつかしいニッキ水
15 フタバガキ(ラワン・メランティ) 木材・樹脂・果実の利用
16 バナナ 熱帯アジアから世界のフルーツへ
17 ラテックス(ゴム樹液・乳液) パラゴムの原産はアマゾン
18 樹木野菜 樹木の花・葉・果実が野菜に
19 果物(フルーツ) 毎日ちがった味わいを体験できる至福
20 木の葉の皿と椀 環境にやさしい非木材林産物
21 芳香を添える植物からの香料 熱帯の香り・におい
22 蜂蜜・蜂の子・蜜蝋 森林あっての贈物
23 森の動物産物 狩猟採集民と森の関わり
24 樹脂(レジン) 松脂とコパール
25 染色と食品着色 自然の色へのあこがれ
26 毒と薬は紙一重 受け継ぎたい森の恵みと培われた文化

あとがき
索引


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