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セラピー文化の展開つながりの中の癒し

つながりの中の癒し セラピー文化の展開

四六判 336ページ 並製
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-88125-130-0(4-88125-130-9) C1036
奥付の初版発行年月:2002年05月

内容紹介

心理療法、セルフヘルプ・グループ、コミュニティ心理学、代替医療などを素材に、現代の癒しのひろがりと、個々人にとってその生の支えとなるようなつながりの文化を探究する。

著者プロフィール

田邉 信太郎(タナベ シンタロウ)

1950年生まれ 国際武道大学教授
『癒しを生きた人々』(共編著)専修大学出版局,1999年。
●締切に追われる執筆と編者の仕事は「癒し」と程遠い状況だ。これが新たな読者とのつながりのきっかけとなれば,いささかでも癒されるのだが……。

島薗 進(シマゾノ ススム)

1948年生まれ 東京大学文学部教授
『現代宗教の可能性』岩波書店,1997年。『時代のなかの新宗教』弘文堂,1999年。『ポストモダンの新宗教』東京堂出版,2001年。
●宗教運動に関わりつつ社会を,また自分を振り返るという試みを続けてきたが,いつも心理療法は隣り合わせの世界だった。

森岡 正芳(モリオカ マサヨシ)

1954年生まれ 奈良女子大学文学部教授
『こころの生態学』朱鷺書房,1995年。『物語としての面接』新曜社,2002年。『心理療法とドラマツルギー』(共著)星和書店,1994年。
●学部では宗教学を専攻した。心理臨床の知見をさまざまな学問領域へと橋渡しすることを通じて,文化と癒しの問題を探求している。

葛西 賢太(カサイ ケンタ)

1966年生まれ 宗教情報センター研究員
「心的空間における宗教性 ― Alcoholics Anonymousの研究」(博士論文,東京大学大学院人文社会系研究科提出)1998年。「精神分析的宗教論の基本構造とその変容」島薗進・西平直編『宗教心理の探求』東京大学出版会,2001年。「『自分で理解した神』を受け入れる ― Alcoholics Anonymousにおける宗教的文化資源とアイデンティティ」宮永國子編『グローバル化とアイデンティティ・クライシス」明石書店,2002年。
●現代人が広義の宗教性として〈スピリテュアリティ〉に対峙するありかたに興味を持ち続けています。〈スピリテュアリティ〉という徹底した個の追及が公的社会的なるものに通じる可能性について今回は書かせていただきました。

小池 靖(コイケ ヤスシ)

1970年生まれ 日本学術振興会特別研究員(社会学)
「商品としての自己啓発セミナー」河合隼雄・上野千鶴子編『現代日本文化論8 欲望と消費』岩波書店,1997年。「現代宗教社会学の論争をめぐるノート ― 霊性・合理的選択理論・世俗化」『現代宗教2002』東京堂出版,2002年。
●国際基督教大学(ICU)から東京大学大学院に学ぶ。専門は文化社会学,宗教社会学,精神世界,カルト,セラピー=カウンセリング現象などについて研究している。

渋谷 研(シブヤ ケン)

1960年生まれ 明治大学講師
「対峙する神々―宗教的職能者間の対立と共存をめぐる一考察」『民族学研究』56-6,1992年。「奄美・沖縄研究の位相―社会構造論からみた奄美・沖縄像」大胡欽一編『社会人類学』八千代出版,1998年。「その後の人たち―老人介護のフォークロア」『国立歴史民俗博物館研究報告』91,2001年。
●主として社会人類学,民俗学の視点から沖縄および関東各地の宗教と社会を研究。人生の師はユタのおばあさんとA・猪木。

箕口 雅博(ミグチ マサヒロ)

1951年生まれ 立教大学コニュニティ福祉学部教授
『講座臨床心理学第2巻 臨床心理学研究』(共著)東京大学出版会,2001年。『医療・看護・福祉のための臨床心理学』(共編著)培風館,2001年。『臨床心理学的地域援助の展開』(共著)培風館,2001年。『阪神・淡路大震災における外国人学生の支援活動と心のケア』(共編著)ナカニシヤ出版,1999年。『移住と適応―中国帰国者の適応過程と援助体制に関する研究』(共編著)日本評論社,1996年。
●社会臨床心理学・コミュニティ心理学の立場から,外国人支援,精神保健福祉,子育て支援などをフィールドとして,実践研究(コンサルテーション,危機介入,サポートネットワークづくり)を行っている。

樫村 愛子(カシムラ アイコ)

1958年生まれ 愛知大学文学部社会学科助教授
『ラカン派社会学入門』世織書房,1998年。『講座現代社会学第3巻 他者/関係/コミュニケーション』(共著)岩波書店,1995年。『グローバル化とアイデンティティ・クライシス」(共著)明石書店,2002年。
●最近は学生相談やエンカウンターのファシリテーターなどのお仕事もやっています。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章 セラピー文化のゆくえ  島薗 進
一章 生命過程とつなぐ―パトス的状況の中での援助  森岡正芳
二章 セルフヘルプのスピリチュアリティ
    ―ささえあい文化の可能性  葛西賢太
三章 文化としてのアダルトチルドレン・アディクション・共依存  小池 靖
四章 ニュータウンと癒しのトポス
    ―与えられた癒しから創生する癒しに向けて  渋谷 研
五章 多文化社会におけるサポートネットワーク
    ―コミュニティ心理学のアプローチ  箕口雅博
六章 代替生活世界的コミュニケーションの展開
    ―若者たちに見るポストモダン的共同性  樫村愛子
終章 健康幻想と癒しの地平  田邊信太郎


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