大学出版部協会

 

民主教育・東京オリンピック・原子力発電戦後復興から高度成長へ

記録映画アーカイブ
戦後復興から高度成長へ 民主教育・東京オリンピック・原子力発電

A5判 320ページ
価格:9,680円 (消費税:880円)
ISBN978-4-13-003251-3 C3000
奥付の初版発行年月:2014年07月

内容紹介

戦後日本の時代背景を記録映画から明らかにするシリーズ,第2弾。戦後復興から高度経済成長にいたる日本の歩みにともなって構築される都市インフラ・原発,変化する地域の産業や風景などを記録映画からたどり,そこに写された日本社会の動態とその実相を浮かび上がらせる.オリンピック前の東京再開発を記録した『空にのびる街』や,幻の作品と言われる土本典昭『日本発見 東京都』など,記録映画10本をDVDに収録.


目次

序 章 記録映画を生き直す(丹羽美之)
第1部 社会科映画と戦後民主化
第1章 『はえのいない町』をつくった頃(藤瀬季彦)
第2章 二人の教育者と「常総コレクション」(村山英世)
第3章 見えるものから見えないものへ——『社会科教材映画大系』と『はえのいない町』(一九五〇年)の映像論(中村秀之)

第2部 高度経済成長と地理テレビ
第4章 テレビ番組『日本発見』シリーズの誕生と挫折(吉原順平)
第5章 『日本発見』シリーズの『東京都』と『群馬県』——公開版と未公開版の比較(筒井武文)
第6章 岩波写真文庫から地理テレビへ——そして,それを超えるものへ(若林幹夫)

第3部 空に,地下にのびる都市
第7章 高度経済成長と記録映画——撮影の現場から(西村健治)
第8章 オリンピック前夜の東京改造(伊藤 滋)
第9章 東京タワーとは何か——「戦後日本」,および都市の象徴として(鳥羽耕史)

第4部 原子力発電とPR映画
第10章 『いま原子力発電は…』ができるまで(羽田澄子)
第11章 核物理学者として生きた原子力時代——記録映画と共に振り返る(藤本陽一)
第12章 被爆の悪夢からの転換——原子力広報言説の戦後史(吉見俊哉)

【本書DVD収録作品】計266分

『はえのいない町』(1950年,12分)演出;村治夫,製作:岩波映画製作所
小学校の児童たちが町中の蠅を駆除していく活動を描く.『社会科教材映画大系』のなかの1本.

『町と下水』(1953年,21分) 演出:羽仁進,製作:岩波映画製作所
戦後の衛生状態の悪さを背景に,下水の働きと必要性を描く.『社会科教材映画大系』の1本.

『日本発見 東京都(未公開版)』(1962年,29分)演出:土本典昭,製作:岩波映画製作所 
日本各地の地理や風土を紹介するテレビ番組.土本典昭が演出したが,放送されなかった幻の作品.

『日本発見 東京都』(1962年,29分) 演出:各務洋一,製作:岩波映画製作所 
お蔵入りとなった土本版『東京都』の代わりに制作され,放送された各務版『東京都』.

『日本発見 群馬県(未公開版)』(1962年,29分)演出:黒木和雄,製作:岩波映画製作所
『日本発見』シリーズのなかの1本.黒木和雄が演出したが,放送されなかった幻の作品.

『日本発見 群馬県』(1962年,29分) 演出:羽仁進,製作:岩波映画製作所
お蔵入りとなった黒木版『群馬県』の代わりに制作され,放送された羽仁版『群馬県』.

『空にのびる街』(1963年,30分) 演出:藤久真彦,製作:岩波映画製作所
東京オリンピックを直前に控えて,青山通りの拡幅工事をめぐる都市再開発の様子を記録する.

『銀座の地下を掘る』(1964年,36分)監督:苗田康夫,製作:日本映画新社
東京オリンピックを目指して建設された営団地下鉄日比谷線銀座駅の地下工事を記録する.

『海岸線に立つ日本の原子力発電所』(1987年,27分)演出:岡田一男,製作:岩波映画製作所
日本の美しい海岸線に建ち並び,地域の生活や文化に溶け込む原子力発電所を空から紹介する.

『いま原子力発電は…』(1976年,24分)演出:羽田澄子,製作:岩波映画製作所
福島第一原発を取材し,原発の光と影をレポートする.テレビ番組『地球時代』シリーズの第2作.


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。