大学出版部協会

 

彼方からの声

シリーズ物語り論
彼方からの声

A5判 464ページ
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-13-003449-4
奥付の初版発行年月:2007年03月

内容紹介

歴史の闇に葬られたり,心の故郷を喪った他者に関わる物語りを発掘し,そこから聴き取れる呼びかけを「彼方からの声」として受けとめる.そこから物語る行為を通して,民族・文化・心の自閉の壁を超える公共世界の開けを待望する.


目次

はじめに(宮本久雄)
特論I 自己論から他者論へ——ナラティヴ・トランスポジション(坂部 恵)
発題I 「イアーゴーの庭」──物語と世俗的時空の産出(高田康成)
発題II 『ドン・キホーテ』の語り手たち(斎藤文子)
発題III 復生の文学──ハンセン病療養所の文藝作品を手引きとして(田中 裕)
発題IV 「もう一つのこの世」に向かって──石牟礼文学におけるポロシオ(隣人)の玄郷くにと近代(宮本久雄)
総合討論I
発題V 英 雄──知とその逸脱(三浦佑之)
発題VI 物語享受の可能性──生命論的妄想論に依拠して(渡辺哲夫)
発題VII カンブリア紀の爆発──生物進化の物語(遠藤一佳)
総合討論II
発題VIII 物語と儀礼──李清俊の『白衣』に描かれる朝鮮戦争の記憶と和解への試み(具正謨)
発展協議
特論II 語り直す力——星野道夫の物語に呼応して(吉田敦彦)
特論III 女たちの場所から語る——物語の解放(北川東子)
おわりに——彼岸からの声について語り合う(金泰昌・坂部 恵・宮本久雄)


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