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インターセクショナリティ 現代世界を織りなす力学
価格:2,860円 (消費税:260円)
ISBN978-4-13-013160-5 C1010
奥付の初版発行年月:2024年06月 / 発売日:2024年06月下旬
多様性に満ちた現代社会を理解するうえでいま最も重要概念のひとつと呼ばれる「インターセクショナリティ(交差性)」。この分析概念を用いて、様々な地域の歴史、社会、文化のいかなる諸相が浮き彫りになるのかを、様々な角度からアプローチし、新しい世界への認識を導き出す。
土屋 和代(ツチヤ カズヨ)
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻教授。
カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院博士課程修了。博士(歴史学)。専門はアメリカ現代史、人種・エスニシティ研究、ジェンダー研究。
著書に Reinventing Citizenship: Black Los Angeles, Korean Kawasaki, and Community Participation (Univ. of Minnesota Press, 2014)、共著に『私たちが声を上げるとき―アメリカを変えた10の問い』(集英社新書、2022年)など、共訳書に『アメリカ黒人女性史―再解釈のアメリカ史・一』(勁草書房、2022年)など。
井坂 理穂(イサカ リホ)
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻教授。
ケンブリッジ大学大学院博士課程修了。博士(歴史学)。専門は南アジア近代史。
著書にLanguage, Identity, and Power in Modern India: Gujarat, c. 1850-1960 (Routledge, 2022)、共編著に『食から描くインド――近現代の社会変容とアイデンティティ』(春風社、2019年)、訳書にアミタヴ・ゴーシュ『シャドウ・ラインズ――語られなかったインド』(而立書房、2004年)など。
目次
序 「インターセクショナリティ」に何ができるのか(土屋和代)
Ⅰ インターセクショナリティをめぐる「過去」と「現在」
1.権力性の交差の場としての物語(速水淑子)
2.二〇〇年前の「交差点」と「地下室」(アルヴィ宮本なほ子)
3.リプロダクティヴ・ジャスティスとインターセクショナリティ(土屋和代)
4.社会運動、司法言説、歴史叙述(岡田泰平)
5.現代インドから「インターセクショナリティ」を考える(井坂理穂)
Ⅱ インターセクショナリティから読み解く現代世界
6.インターセクショナリティ(交差性)に関する四つの疑問(和田毅)
7.イスラエルにおける性的少数者/動物の権利運動とパレスチナ問題(保井啓志)
8.エイズから新型コロナ、白紙運動からフェミニズム運動へ(阿古智子)
9.インターセクショナリティに抗するフランス?(伊達聖伸)
10.安心をもたらさないインターセクショナリティへ(清水晶子)