進化心理学を学びたいあなたへ パイオニアからのメッセージ
価格:4,840円 (消費税:440円)
ISBN978-4-13-013311-1 C1011
奥付の初版発行年月:2018年05月 / 発売日:2018年05月下旬
なぜ進化という考え方がそれほど魅惑的なのか,脳から認知・発達,社会・文化,組織・経営に至るまで,どれほど幅広く有効に応用できるか——「進化」に憑りつかれ,誤解と闘いながら険しい道を切り拓いてきた心理学者たちから,これから進化心理学を志す読者への熱いメッセージ.
王 暁田(ワン シアオティエン)
サウスダコタ大学教授
蘇 彦捷(スー イエンジエ)
北京大学教授
平石 界(ヒライシ カイ)
慶應義塾大学文学部准教授
長谷川 寿一(ハセガワ トシカズ)
翻訳家
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
Ⅰ そもそもなぜ進化なのか——進化心理学の基本問題
1 進化心理学という科学革命に参加して(デヴィッド・M・バス)
2 進化は心の仮説生成器(マーティン・デイリー&マーゴ・ウィルソン)
3 進化心理学の来し方と行く末(ロビン・I・ダンバー)
4 心という塗り絵にひそむ動機と合理性(ダグラス・ケンリック)
5 心を生む1100グラム——脳という物質 ヴィクター・S・ジョンストン)
6 反発あってこその進化心理学(ロバート・クルツバーン)
II 心と社会を進化から考える
1 ヒトは社会の中で進化した(ユージーン・バーンスタイン)
2 家族関係の進化心理学——出生順と立場争い(フランク・J・サロウェイ)
3 配偶者選びは商品選びと似ている?(ノーマン・P・リー[李天正])
4 自己欺瞞、見栄、そして父子関係(チャン・レイ[張雷])
5 あなたの家族は誰?——血縁関係がわかるわけ(デボラ・リーバーマン)
6 集団間の偏見は自然の摂理(カルロス・ナヴァレット)
III 認知と発達を進化から考える
1 120万人と人口の0.1%——書き方で数の印象が変わるのはなぜ?(ゲイリー・ブレイズ)
2 交換と安全——人はどこまで論理的か?(ローレンス・フィディック)
3 ヒトは何を覚えてきたのか——記憶の進化心理学(スタンレー・クライン)
4 ヒトの成長を進化からとらえる(ブルース・J・エリス)
5 思春期の到来と自己欺瞞(ミシェル・K・サービー)
IV 意思決定と組織運営を進化から考える
1 ヒューリスティクス——不確実な世界を生き抜く意思決定の方法(ゲルト・ギーゲレンツァー)
2 進化心理学へのシンプルな道(ピーター・トッド)
3 究極の選択を迫られたとき(王暁田)
4 男と女が無理する理由(サラ・E・ヒル)
5 医者の不養生——産業組織心理学者がルールを守らないわけ(ステファン・M・コラレリ)
6 仕事と性差(キングスレー・R・ブラウン)
7 ビジネスとマネジメントに進化心理学を導入する(ナイジェル・ニコルソン)
V 文化と知性を進化から考える
1 文化抜きにはヒトの進化は語れない(ピーター・J・リチャーソン)
2 制度という環境の中でヒトは生きる(山岸俊男)
3 ヒトを特別なチンパンジーたらしめるもの(長谷川寿一)
4 話すことと書くこと(デヴィッド・C・ギアリー)
5 脳が自らを研究するとき——氏と育ちの二分法を超えて(クラーク・バレット)
VI 未来の進化心理学者たちへ
1 苦労の末学んだ12の教訓(ダニエル・M・T・フェスラー)
2 生態学者が進化心理学者になるまで——新しい分野への挑戦(ボビー・S・ロウ)
3 消費するヒト(ガッド・サード)
4 レポートが論文になるまで——進化心理学は科学たりうるか?(ティモシー・カテラー)
5 進化に興味をもつ人たちへの4つのアドバイス(ジェフリー・ミラー)
監訳者あとがき
○北京大学出版会から2011年に出版された“Thus Spake Evolutionary Psychologists”(『進化心理学家如是説』)を翻訳.