大学出版部協会

 

人と組織をつなぐ関係性の科学感謝と称賛

感謝と称賛 人と組織をつなぐ関係性の科学

A5判 280ページ
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-13-013318-0 C1034
奥付の初版発行年月:2024年06月 / 発売日:2024年06月上旬

内容紹介

職場で感謝や称賛を交わすことは、なぜ、どのように重要か――ダイバーシティ推進やテレワーク拡大といった現代的課題を抱える組織のマネジメントに有用な、感謝や称賛の多様かつ職場全体にも及ぶ効果やその促進法について、質問紙調査とアプリの活動データから可視化・検証する。

著者プロフィール

正木 郁太郎(マサキ イクタロウ)

東京女子大学現代教養学部准教授。
1989年生まれ。2017年東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程修了。博士(社会心理学)。専門は社会心理学・組織行動論。民間企業との業務委託やアドバイザーなど経験多数、2021年より現職。著書に『職場における性別ダイバーシティの心理的影響』(東京大学出版会、2019年、2019年度日本社会心理学会賞出版特別賞受賞)、『博士になったらどう生きる?』(共著、勉誠出版、2017年)、『多元的無知――不人気な規範の維持メカニズム』(共著、東京大学出版会、2023年)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第Ⅰ部 感謝と称賛をめぐる研究とその背景

第1章 社会的背景――なぜ職場での感謝と称賛が重要か
1.1 組織におけるコミュニケーションの意義と類型化
1.2 現代の組織課題1:ダイバーシティの向上
1.3 現代の組織課題2:テレワークの拡大
1.4 ポジティブ・コミュニケーションの例としての感謝・称賛の意義
1.5 感謝と称賛を介して目指す組織のあり方とは

第2章 感謝と称賛に関する心理学的研究
2.1 感謝とは何か――感謝の感情、パーソナリティ、行動の違い
2.2 感謝の「行動」に注目する理由
2.3 感謝はなぜ、何に対して有効か――心理学研究で得られたエビデンス
2.4 日常と職場の対人関係の違い――職場を対象とした研究の必要性
2.5 職場の中での感謝の有効性と、まだわかっていないこと
2.6 感謝と称賛の違いは何か
2.7 本書における感謝と称賛の定義、それぞれの可能性と未知の点

第Ⅱ部 実証研究:データから見る感謝の現代的価値

第3章 ダイバーシティ推進上の価値
3.1 研究の背景
3.2 研究の方法
3.3 研究の結果
3.4 考察:感謝を介して見るテレワークの影響

第4章 コミュニケーションに対するテレワークの影響
4.1 研究の背景
4.2 研究の方法
4.3 研究の結果
4.4 考察:ダイバーシティ・マネジメントの手段としての感謝の意義

第Ⅱ部のまとめ

第Ⅲ部 実証研究:感謝の効果と促し方

第5章 職場における感謝の効果と「落とし穴」
5.1 研究の背景
5.2 研究の方法
5.3 研究の結果
5.4 考察:適切な循環によって感謝が効果を増す可能性がある

第6章 感謝の多様な効果――助け合いを促すメカニズム
6.1 研究の背景
6.2 研究の方法
6.3 研究の結果
6.4 考察:職場で感謝行動はなぜ、何に有効か

第7章 感謝を促す方法
7.1 研究の背景
7.2 研究の方法
7.3 研究の結果
7.4 考察:感謝は前向きな関わり合いの中から生まれる

第Ⅲ部のまとめ

第Ⅳ部 実証研究:活動データを使用した称賛の研究

第8章 称賛の基本的機能の探究
8.1 研究に使用する事例・フィールドの紹介
8.2 本章の構成
8.3 称賛を促す介入はどのように組織に普及するか
8.4 称賛にはどのような効果が見られるか
8.5 感謝と称賛の効果はどのように違うか
8.6 称賛の意義と組織への普及のさせ方

第9章 称賛がチームワークと新人の適応に与える効果
9.1 称賛はチームワークのよさと関係するか
9.2 称賛は新人の定着に役立つか
9.3 称賛のさらなる活用の可能性

第Ⅳ部のまとめ

第Ⅴ部 感謝・称賛の効果と組織マネジメントへの含意

第10章 よりよい組織作りのために感謝と称賛でできること
10.1 本書の問いの振り返り
10.2 本書で見出された「感謝と称賛の効果」とは何か
10.3 組織マネジメントへの実践的示唆――感謝と称賛で作る組織の未来
10.4 組織研究や社会心理学の研究に対する学術的示唆と展望

あとがき
初出一覧
引用文献
索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。