日本の近代思想を読みなおす
日本の近代思想を読みなおす3 美/藝術
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-13-014253-3 C1310
奥付の初版発行年月:2024年03月 / 発売日:2024年03月中旬
ヨーロッパの基準で日本文化を判断し、そこにいかなる「美」の存在、むしろ不在を認定するか、あるいはいかなる「藝術」の発見を認知するか、それとも否認するか、その闘争の場として「日本の近代思想」における「美/藝術」は「読みなお」しを迫られている。本書はその視角から美/藝術を活写する。
【シリーズの特長】
●日本の近代思想を15のテーマに分け、その新たな読みなおしを提案する。
●近代を反映する重要テキストを精選・収録し、第一線の研究者が解説を付す。
●危機の時代である現代において、時勢に流されることのない基礎的かつ確実な内容を提示する。
稲賀 繁美(イナガ シゲミ)
京都精華大学特任教授、国際日本文化研究センター名誉教授
末木 文美士(スエキ フミヒコ)
国際日本文化研究センター名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、東京大学名誉教授
中島 隆博(ナカジマ タカヒロ)
東京大学東洋文化研究所所長、同教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
総論 「近代日本」の「美」と「藝術」の「思想的」「問い直し」――本書の前提と限界
Ⅰ 「藝術」の「制度」と「近代」
一 渡邊崋山「崋山尺牘」
二 『國華』第一巻 第一号 序文
三 九鬼隆一「序」『稿本帝国日本美術略史』
四 岡倉覚三『茶の本』The Book of Tea(一九〇六)
五 高村光雲『高村光雲古譚』
Ⅰ 資料編
Ⅱ 東洋美学の模索
一 橋本関雪『南畫への道程』
二 園頼三『藝術創作の心理』
三 金原省吾『東洋美論』
四 鼓常良『日本藝術様式の研究』
五 小出楢重『油絵新技法』
Ⅱ 資料編
Ⅲ 外からのまなざし、外への視線――内外の交差にみる日本の「美」と「藝術」
一 高村光太郎「ポール・セザンヌ」『印象派の思想と藝術』/「触覚の世界」
二 Marie C. Stopes, Plays of Old Japan, The Nô, Heinemann, 1913
三 大西克禮『幽玄とあはれ』
四 Bruno Taut “Wie ich die japanische Architectur ansehe?”「予は日本の建築を如何に観るか」岸田日出刀(訳)
五 今村太平「日本藝術と映画」『映画藝術の性格』
Ⅲ 資料編
Ⅳ 「日本美」の彼方への思索――伝統と創造との綻び目
一 和辻哲郎「面とペルソナ」『面とペルソナ』
二 柳宗悦 “The Responsibility of the Craftsman,”(1952)Bernard Leach(ed.), The Unknown Craftsman, Kodansha International, 1972
三 矢代幸雄「滲みの感覚」『水墨画』
四 丹下健三「日本建築における伝統と創造│桂」『桂:日本建築における伝統と創造』
五 Taro Okamoto, L’esthétique et le sacré, Seghers, 1976, «L’énigme d’Inoukshouk», «le jeu de berceau »「イヌクシュックの神秘」、「宇宙を彩る」『美の呪力』
Ⅳ 資料編
おわりに