南北朝期における室町幕府の守護の沿革を厖大な史料検討をふまえて国別に考証．守護の異動は中央の政治的軍事的情勢とかかわりをもち，各国の守護沿革史は南北朝政治史の一表現であるという認識のもと，一国守護の異動を中央・他国との関連において綿密に検討する．上巻は畿内・東海道・東山道・北陸道，下巻は山陰道・山陽道・南海道・西海道・結言と上・下巻それぞれに人名索引を収める．