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日本とフランスの近世「身分」を交差させる

「身分」を交差させる 日本とフランスの近世

A5判 400ページ
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-13-020313-5 C3020
奥付の初版発行年月:2023年06月 / 発売日:2023年06月上旬

内容紹介

日本とフランスの近世史の研究者による歴史学の成果をふまえ、現代の歴史学の潮流が浮き彫りになる比較研究。日本史と西洋史、そして社会史や都市史といった枠組のなかで議論されてきた「身分」とは何かという問いを、さらに追究することによって、新たな歴史学の展開を試みる。

著者プロフィール

高澤 紀恵(タカザワ ノリエ)

法政大学文学部教授

ギヨーム・カレ(ギヨーム・カレ)

フランス社会科学高等研究院教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章 交差する歴史家、交差する過去――「身分」をめぐって(高澤紀恵、ギヨーム・カレ)

I 身分を語る
第一章 比較から交差へ――アンシアン・レジーム期のフランスと江戸時代の日本の社会力学を交差させる(フランソワ=ジョゼフ・ルッジウ/竹下和亮訳)
第二章 日本近世の身分と社会(森下 徹)
第三章 慶長一七年、院内銀山と周辺地帯の関係構造(吉田伸之)
クローズ・アップ
1.日本史における「身分」の語義(牧原成征)
2.フランスにおける「身分」(エリ・アダッド/竹下和亮訳)
3.二宮宏之「フランス絶対王政の統治構造」をひらく(竹下和亮)

Ⅱ 書くこと、読むこと、残すこと
第一章 「人証」か「文証」か?――近世における入会山争論の内済と裁許(後藤雅知)
第二章 稀有な記述行為――近世フランス村落の「書かれたもの」と社会的地位(ダイナ・リバール/竹下和亮訳)
第三章 一八世紀後半パリにおける周縁者と「書く」行為――国王に対する偽の陰謀告発事件を例に(松本礼子)
クローズ・アップ
1.近世大坂の非人身分と史料(塚田 孝)
2.作家の誕生(ダイナ・リバール/竹下和亮訳)

Ⅲ 財とジェンダー
第一章 貴族身分・「家」・領主所領――一六―一八世紀(エリ・アダッド/竹下和亮訳)
第二章 妻の身分・女性相続人の身分――女性と王家世襲財産(ファニー・コザンデ/竹下和亮訳)
第三章 武家の女性と財産分与――徳川家康側室の事例から(吉田ゆり子)
クローズ・アップ
1.フランスにおける「家」(エリ・ アダッド/竹下和亮訳)
2.萩藩の戸籍仕法と家(森下 徹)

Ⅳ 揺らぐ身分
第一章 江戸幕府御家人の身分と家(牧原成征)
第二章 対立する利害に引き裂かれて――長崎のオランダ通詞の身分を考える(堀内アニック/竹下和亮訳)
第三章 啓蒙の世紀と軍事改革――想像/創造された兵士たち(芹生尚子)
クローズ・アップ
1.身分社会と「知」について――走り書き的覚書(小野 将)
2.身分社会の変容を考える視点(佐々木 真)

終章 「社会」の胎動――近世国家・政治社会・身分制(ギヨーム・カレ/高澤紀恵訳)


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