内容紹介
混迷する歴史教科書・教育をめぐる議論が浮かび上がらせてきたのは,政治言説や教育言説の枠組みだけでなく,歴史認識や歴史叙述への本質的な問いでもある.歴史を教えること,叙述することの意味と可能性を,歴史学と教育の現場の両側から改めて問う.
目次
序 章 歴史教育の構図
第I部 歴史教育実践の問題性
第一章 逸脱する「授業研究」/第二章 歴史教育実践の現在
第II部 歴史教育批判
第一章 疎外される歴史教育/第二章 民間学としての歴史教育/第三章 歴史教育の語られ方
第III部 歴史教育から歴史叙述へ
第一章 方法としての教科書/第二章 歴史叙述の試み——「軍隊体験と戦場体験」/第三章 歴史を語る試み——「捕虜を殺す兵士・殺さない兵士」/第四章 歴史叙述の可能性/第五章 歴史叙述としての教科書
終 章 歴史教育研究と歴史教育実践