内容紹介
古代天皇の権力原理は,天皇だけのものではなかった.8世紀から11世紀における古代日本の権力のあり方を分析,その原理と大きな転換を明らかにする.天皇の食事や,全国から食材を集める方法の変化も解明.東アジア世界の中で古代日本の「権力」を問う一冊.
目次
序 章 古代日本の「権力」
第一部 天皇と四等官制——律令官僚制の政務原理
第一章 古代日本の四等官制
第二章 正倉院文書からみた令制官司の四等官制
第二部 天皇と別当制——政務原理とその変容
第一章 検非違使別当の特質
第二章 宮中の「所」と所々別当制
第三章 平安時代の寺院と俗別当制
第四章 諸司別当制からみた律令官制の変容
第五章 東大寺別当の成立
附論 「東寺司政」印について
第三部 天皇の食事と贄——政務原理変容の基底
第一章 古代天皇の食事と贄
終 章 古代日本における「権力」の変容