内容紹介
民衆の生活を安定させるという国家の運営に不可欠な理念のあり方を日本の古代に探り,「国家とは何か」という問いに挑む.支配を正当化させる儒教的勧農政策や神祇・仏教政策を検討し,律令国家から摂関期にかけての古代国家の形成と展開,さらには前近代国家の特質を描き出す.
目次
序 章 古代国家研究の現状——国家とは何か
第一部 律令国家と儒教・神祇政策
第一章 百姓撫育と律令国家——儒教的イデオロギー政策を中心に
補論 律令国家の撫育政策
第二章 神祇官の特質——地方神社と国司・朝廷
第三章 神社社殿の成立と律令国家
第二部 社会・国家の変転過程
第一章 九世紀後期における地方社会の変転過程
第二章 九・十世紀の不堪佃田・損田と律令官人給与制
第三部 摂関期の国家と支配理念
第一章 摂関期の地方支配理念と天皇——祥瑞・勧農・受領罷申
第二章 摂関期の災異について
終 章 日本古代国家の支配理念