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UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

UP plus
UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

A5判 132ページ
価格:1,870円 (消費税:170円)
ISBN978-4-13-033305-4 C1031
奥付の初版発行年月:2022年08月 / 発売日:2022年08月上旬

内容紹介

戦争の衝撃
2022年2月24日にロシア・プーチン政権のウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、いまなお、日々リアルタイムに戦争の状況は報道され、戦争の終結は、今現在も見えていない状況である。本書は、いまもっともアクチュアルに活躍する地域・国際関係の研究者がこの状況を各専門分野から、ロシア・ウクライナ戦争と今後の世界を見通す。緊急出版!
国際政治経済学の鈴木一人、ロシア軍事・安全保障が専門の小泉悠、欧州政治・国際安全保障が専門の鶴岡路人, 現代アメリカ外交の森聡、アジア政治外交史・現代中国の川島真、中央アジア近現代史の宇山智彦、イスラム政治思想史・中東が専門の池内恵、各地域の第一線にいる研究者が見通す、この戦争と世界の未来。

著者プロフィール

池内 恵(イケウチ サトシ)

東京大学先端科学技術研究センター教授。専門はイスラーム政治思想史・中東研究。著書に『アラブ政治の今を読む』(中央公論新社)、『増補新版 イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社)『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮選書)、『シーア派とスンニ派』(新潮選書)など多数。

宇山 智彦(ウヤマ トモヒコ)

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授。専門は中央アジア近現代史、比較政治。著書に『現代中央アジア:政治・経済・社会』(共編著、日本評論社)、『ロシア革命とソ連の世紀5 越境する革命と民族』(編著、岩波書店)、『ユーラシア近代帝国と現代世界』(編著、ミネルヴァ書房)などがある。

川島 真(カワシマ シン)

東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はアジア政治外交史。著書に『中国のフロンティア』(岩波書店)、『21世紀の「中華」』(中央公論新社)、『20世紀の東アジア史』(共編著、東京大学出版会)、『よくわかる 現代中国政治』(共編著、ミネルヴァ書房)、『アフターコロナ時代の米中関係と世界秩序』(共編著、東京大学出版会)など多数。

小泉 悠(コイズミ ユウ)

東京大学先端科学技術研究センター専任講師。専門はロシアの安全保障政策。著書に『現代ロシアの軍事戦略』(筑摩書房)、『「帝国」ロシアの地政学――「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版)などがある。

鈴木 一人(スズキ カズト)

東京大学公共政策大学院教授。専門は国際政治経済学・科学技術と安全保障・宇宙政策。著書に『宇宙開発と国際政治』(岩波書店)、『EUの規制力』(日本経済評論社、共編著)などがある。

鶴岡 路人(ツルオカ ミチト)

慶應義塾大学総合政策学部准教授。専門は現代欧州政治、国際安全保障。著書に『EU離脱――イギリスとヨーロッパの地殻変動』(筑摩書房)、『EUの国際政治――域内政治秩序と対外関係の動態』(慶應義塾大学出版会、共編著)などがある。

森 聡(モリ サトル)

慶應義塾大学法学部教授。専門は国際政治学、現代アメリカ外交、冷戦史。著書に『ヴェトナム戦争と同盟外交――英仏の外交とアメリカの選択1964-1968年』(東京大学出版会)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

戦争と相互依存――経済制裁は武力行使の代わりとなるか(鈴木一人)
 1 経済制裁とは何か
 2 対ロシア制裁のポイント
 3 対ロシア経済制裁の行方

古くて新しいロシア・ウクライナ戦争(小泉 悠)
 はじめに
 1 二つの戦争パラダイム
 2 「限定全面戦争」としてのロシア・ウクライナ戦争
 3 古典的な軍事力の重要性
 4 鍵を握る動員能力
 5 核抑止の役割
 6 「新しい戦争」としての側面
 おわりに

欧州は目覚めたのか――ロシア・ウクライナ戦争で変わったものと変わらないもの(鶴岡路人)
 はじめに
 1 ドイツの「転換点」(とその限界)
 2 NATO加盟に向かうフィンランドとスウェーデン
 3 エネルギーの「脱ロシア」に向かうEU
 4 維持されるNATOの中心性
 5 未解決の「ロシア問題」
 おわりにかえて――欧州の変化の促進・阻害要因

ウクライナと「ポスト・プライマシー」時代のアメリカによる現状防衛(森 聡)
 はじめに
 1 クリミア併合後のアメリカのウクライナ政策
 2 侵攻前のバイデン政権の対応
 3 ロシアによるウクライナ侵攻後のバイデン政権の対応
 4 ウクライナ戦争とアメリカの戦略的な課題
 おわりに――「ポスト・プライマシー」時代のアメリカは現状をどう守るか

制限なきパートナーシップ?――中国から見たロシア・ウクライナ戦争(川島 真)
 はじめに――中国はロシアと「同じ」なのか?
 1 中国国内の見方
 2 二〇二二年の中国と新型コロナ
 3 中国外交の大原則と米中「対立」という基本構造
 4 中国の想定する世界像
 5 中露関係の考え方
 6 アジアの多数派を獲得する?
 7 「力による現状変更」という括り方――「台湾有事」をめぐって
 おわりに――ウクライナ戦争と日中関係
 
ウクライナ侵攻は中央アジアとロシアの関係をどう変えるか――戸惑い・危惧と変化への胎動(宇山智彦)
 はじめに
 1 ロシアと中央アジア――親密な関係と緊張の兆し
 2 侵攻に対する態度――理解か中立か反対か
 3 対ロシア経済制裁の影響と「利益」
 4 今後の展望――ロシアの弱さがもたらしうる国際秩序の変化

ロシア・ウクライナ戦争をめぐる中東諸国の外交――「親米中立」の立ち位置と「多極世界」の希求(池内 恵)
 はじめに
 1 国連決議への対応
 2 中東の主要な「親米」国の姿勢
 3 中東主要国の反応に通底する要素

あとがき(川島 真)


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