シリーズ超高齢社会のデザイン
シリーズ超高齢社会のデザイン 老化と老年病 予防・治療・医療的配慮の基礎
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-13-034312-1 C3047
奥付の初版発行年月:2020年02月 / 発売日:2020年02月上旬
「老化」は細胞・臓器・個体レベルで若年成人から始まる問題であり,老化を背景として発症するのが「老年病」である.老化のメカニズムや制御,および生活習慣病や認知症などの予防・治療について解説する.誰にも訪れる老化と老年病を正しく知るための基本図書.
秋下 雅弘(アキシタ マサヒロ)
東京大学大学院医学系研究科教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
第I部 老化の概念とメカニズム
第1章 老化の概念(秋下雅弘)
1 老化の定義
2 生理的老化と病的老化
3 老化度――暦年齢と生物学的年齢
4 健康寿命
第2章 老化のメカニズムI――DNA損傷から長寿遺伝子サーチュインまで(孫 輔卿)
1 DNA損傷と早老症
2 エピジェネティクスの変化
3 テロメアの短縮と細胞老化
4 長寿遺伝子サーチュイン
5 今後の展望
第3章 老化のメカニズムII――シグナル伝達系から環境因子まで(孫 輔卿)
1 エネルギー代謝調整シグナル系
2 酸化ストレスとミトコンドリア機能障害
3 慢性炎症と免疫の老化
4 オートファジー
5 環境要因
6 今後の展望
【コラム1】長寿のバイオマーカーは何か?(新井康通)
1 バイオマーカーの同定・開発
2 健康長寿者のフェノタイプ(表現型)
3 長寿のバイオマーカー
4 新規バイオマーカーの同定戦略
第II部 老化制御の可能性
第4章 カロリー制限と老化制御(矢可部満隆)
1 カロリー制限と老化抑制
2 カロリー制限による老化抑制の機序
3 カロリー制限とサーチュイン
4 カロリー制限とAMPK系
5 カロリー制限とsncRNA
6 今後の展望
第5章 ホルモンと老化制御(小川純人)
1 ホルモンの関与
2 老年疾患・老化における性差
3 ホルモンと認知機能
4 ホルモンとフレイル
5 老年疾患に対するホルモン補充
6 今後の展望
【コラム2】サプリメントで老化制御は可能か?(矢可部満隆)
1 ビタミン
2 レスベラトロール
3 アミノ酸
4 コエンザイムQ10(ユビキノン)
第III部 老年病の基本――予防から治療まで
第6章 認知症の早期発見と治療(亀山祐美)
1 認知症とは
2 認知症の種類
3 認知症の疫学
4 認知症の症状・進行の特徴
5 治療可能な認知症(treatable dementia)
6 各認知症の原因
7 認知症早期発見で期待できること
8 認知症疾患鑑別目的の検査
9 認知症早期発見のためのスクリーニング
10 国の認知症対策
11 認知症の治療
【コラム3】認知症は予防できるか?(亀山祐美)
1 避けたい危険因子について
2 防御因子
第7章 高齢者の生活習慣病対策(江頭正人)
1 脂質異常症と高血圧
2 脂質異常症
3 高血圧
4 動脈硬化性疾患と発病予防/治療へ
第8章 高齢者の肺炎予防(石井正紀)
1 死因としての肺炎
2 肺炎の種類
3 肺炎球菌ワクチン
4 予防接種の制度
5 肺炎球菌の莢膜型の変化
6 インフルエンザワクチン
7 誤嚥性肺炎への対策
8 フレイル,サルコペニア
9 高齢者の肺炎予防に向けて
第9章 高齢者の転倒・骨折とその予防法(小川純人)
1 高齢者の転倒・骨折の発生
2 骨折リスクとしての骨粗鬆症とその評価
3 骨粗鬆症の予防・治療
4 骨粗鬆症に対する薬物治療
5 高齢者の転倒とその予防
6 転倒リスクとしてのサルコペニアとその評価
7 高齢者の転倒・骨折予防に向けて
第10章 老年症候群とはなにか(山口泰弘)
1 単一の原因でない老年症候群
2 老年症候群の概念
3 老年症候群の具体例とケアの特徴
4 老年症候群とフレイル,サルコペニア
5 老年症候群に共通の病態はあるか
6 老年医学における老年症候群
第IV部 高齢者に対する医療の考え方
第11章 高齢者総合機能評価(CGA)の概念と実際(秋下雅弘)
1 高齢者医療の特殊性
2 高齢者総合機能評価(CGA)の意義と利用法
3 CGAと高齢者医療の展望
第12章 高齢者に対する薬物療法(小島太郎)
1 疾患の重積と多剤服用
2 フレイル・要介護状態におけるポリファーマシー
3 ポリファーマシーと薬物有害事象
4 高齢者の薬物有害事象の特徴
5 処方カスケードへの注意
6 処方・調剤にあたっての注意
7 Potentially Inappropriate Medication(PIM)と高齢者の安全な薬物療法ガイドライン
8 服薬アドヒアランスを向上するための工夫
9 患者・介護者との情報の共有
10 医師・薬剤師を中心とした多職種協働
11 ポリファーマシーの解消に向けた日本の取り組み
【コラム4】年齢により治療(目標)は変わるか?(小島太郎)
1 高齢者の身体や疾患の特徴
2 多疾患治療における配慮の必要性
3 フレイルや要介護状態の医療への影響
4 老年症候群の管理
5 ポリファーマシー
6 高齢者総合機能評価(CGA)
第13章 エンド・オブ・ライフの医療(山口泰弘)
1 ガイドラインの歴史
2 エンド・オブ・ライフとは
3 老いと死の過程
4 緩和ケア
5 エンド・オブ・ライフにおける医療介入の意思決定
6 アドバンス・ケア・プランニング
7 地域でのエンド・オブ・ライフ・ケアの時代へ
Aging and Age-related Diseases:
Basics of Prevention, Treatment and Medical Consideration
(Designing the Super-aged Society)
Masahiro AKISHITA, editor