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人間の経済と資本の論理

人間の経済と資本の論理

四六判 232ページ
価格:3,190円 (消費税:290円)
ISBN978-4-13-040308-5 C3033
奥付の初版発行年月:2022年09月 / 発売日:2022年09月下旬

内容紹介

現代社会を支配している資本主義的生産様式は、失業や環境問題など、人間の日々の生活基盤を脆弱なものにした。資本の論理に呑み込まれる以前、人間の経済は生活に根ざしたものであった。経済がいかにして人間社会から離脱して価値増殖の手段になっていったのかを明らかにし、生活世界の脱資本化を説く。

著者プロフィール

丸山 真人(マルヤマ マコト)

東京大学名誉教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき

第I部 人間の経済

第1章 経済の二つの意味──内在する共約不可能性
 1.メンガー初期における人間の経済の定義
 2.メンガーの晩年における人間の経済の定義
 3.実体=実在としての経済 
 4.まとめ 

第2章 オイコノミア──エコノミーは家政術から始まった
 1.命の糧 
 2.市場と穀物交易
 3.家と家政術 
 4.中世ヨーロッパのエコノミーク 
 5.協同組織ゲノッセンシャフト 
 6.まとめ

第3章 ポリティカル・エコノミー──拡大する市場経済
 1.全国市場の登場 
 2.ポリティカル・エコノミー
 3.マーケット・エコノミー
 4.労働力商品化 
 5.まとめ

第4章 富から価値へ──人間と自然から離床する経済
 1.労働と土地 
 2.フィジオクラート
 3.社会の富と自然の恵み
 4.自然力一般 
 5.富の源泉と自然力 
 6.まとめ

第II部 資本の論理

第5章 商品──資本主義社会の富の要素形態
 1.商品の価値形態 
 2.価値の実体と物神崇拝
 3.貨幣
 4.現代貨幣の起源 
 5.まとめ 

第6章 資本──自己増殖する価値の運動体
 1.貨幣の資本への転化 
 2.労働力商品 
 3.機械装置と大工業
 4.剰余価値の資本への転化
 5.家事労働と「女性の囲い込み」
 6.まとめ 

第7章 再生産──経済成長の出発点
 1.資本循環 
 2.資本の再生産 
 3.まとめ 

第8章 信用──資本家的生産の高度化
 1.商業信用と銀行信用
 2.中央銀行と貨幣市場 
 3.景気循環
 4.創造的破壊
 5.資本の商品化
 6.株式資本 
 7.資本市場と金融資本
 8.まとめ 

第9章 擬制資本──人間の経済の資本化
 1.擬制資本 
 2.土地と自然資本 
 3.人的資本と社会資本 
 4.欲望の高度化 
 5.発展と成長 
 6.まとめ

第III部 等身大の生活世界

第10章 人間と貨幣の脱資本化──商品世界から地域社会へ
 1.協同組合運動
 2.恐慌と失業 
 3.金本位制と管理通貨制 
 4.通貨の自由発行 
 5.まとめ

第11章 自然の脱資本化──環境負荷を環境容量より小さくする
 1.自然の制約
 2.エコロジカル・フットプリント 
 3.社会的共通資本
 4.定常経済 
 5.脱成長 
 6.まとめ 

第12章 広義の経済学──生命系と地域主義
 1.ポジの生産とネガの生産
 2.生命系と生態系
 3.農業的生産の独自性
 4.地域主義 
 5.地域生活者とジェンダー
 6.まとめ 

あとがき


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