大学出版部協会

 

ドイツ都市計画の社会経済史

ドイツ都市計画の社会経済史

A5判 408ページ
価格:13,200円 (消費税:1,200円)
ISBN978-4-13-046117-7 C3033
奥付の初版発行年月:2016年04月

内容紹介

ヨーロッパにおける近代都市はいかに成立したのか.ドイツのフランクフルトを例に,19世紀初頭以降の工業化の進展が,都市行政にどのような転換をもたらしたのかを,政策の具体的展開を明らかにしつつ,社会政策的意義と国際的反響にも視野をひろげ明らかにする.


目次

ドイツ帝国の地図(1871〜1918年)
序章

第I部 ドイツ近代都市史研究の展開と課題
第1章 ドイツ近代都市史・都市化史研究の成立と展開——研究史と前提
 はじめに
 1. 「都市」と「都市化」の概念
 2. ドイツにおける近代都市史・都市化史研究の成立と発展
 3. ドイツにおける都市化の時期区分と都市の諸類型
 4. 「自治体給付行政」論の進展
 5. 1990年代以降の展開——文化史への傾斜とその射程
 おわりに
 補論 日本におけるドイツ近代都市史研究について
第2章 ドイツ都市計画の社会経済史——本書の基本的視角
 はじめに
 1. 都市化の進展と近代都市の成立
 2. 自治体給付行政の成立
 3. 「生存配慮」
 4. 上級市長
 5. 社会都市と社会政策的都市政策
 6. 広義の都市計画
 7. 都市計画と社会政策との交錯
 8. ドイツ近代都市史におけるフランクフルトの位置
 9. ドイツ都市政策の国際的反響——イギリスの場合
 おわりに

第II部 フランクフルトの都市発展と都市政策
第3章 アディケスの都市政策と政策思想
 はじめに
 1. フランクフルト上級市長着任まで
 2. フランクフルト時代の都市政策
 3. アディケスの政策思想
 おわりに
第4章 工業化・都市化の進展と合併政策の展開
 はじめに
 1. フランクフルトの経済構造と工業化
 2. 1877年と1895年の合併
 3. 1900年と1910年の合併
 4. 1928年の合併
 おわりに

第III部 フランクフルトの都市計画と社会政策的意義
第5章 都市交通の市営化と運賃政策——生存配慮保障の視点から
 はじめに
 1. 世紀転換期ドイツにおける市外鉄道の運賃問題
 2. 市営化後のフランクフルト市街鉄道における運賃制度の改定
 3. 労働者用週定期の導入過程
 4. 運賃改定後のフランクフルト市営市街鉄道の経営
 5. 割引運賃の対象拡大の抑制
 6. 第一次世界大戦期の度重なる値上げ
 おわりに
第6章 都市土地政策の展開とその限界——「社会都市」から「社会国家」へ
 はじめに
 1. 都市土地政策とは何か
 2. フランクフルトにおける都市土地政策の成立とその実施機構
 3. 市有地拡大と土地取引の概観
 4. 土地購入取引の具体的様相
 5. 市有地の「活用」
 6. 土地政策の評価
 おわりに
第7章 都市当局と公共慈善財団の相補関係——都市計画への土地提供と財政基盤の確保
 はじめに
 1. フランクフルトにおける公共慈善財団の成立
 2. フランクフルトのプロイセン編入と公共慈善財団
 3. 都市土地政策と公共慈善財団
 4. 公共慈善財団の土地所有の推移と土地取引
 5. フランクフルトの都市建設と財団所有地
 おわりに

第IV部 イギリスにおけるドイツ都市行政・都市政策認識
第8章 ホースフォールの活動と思想——ドイツ的都市計画・都市行政の紹介と導入の試み
 はじめに
 1. 19世紀末〜20世紀初頭のマンチェスター
 2. ホースフォールのフィランスロピー活動と社会改良思想
 3. 住宅改良運動・住宅政策への関与
 4. ホースフォールのドイツ都市計画・都市行政認識
 おわりに
第9章 ネトルフォールドの活動と思想——市営住宅反対論とドイツ的都市計画の融合の試み
 はじめに
 1. 住宅問題への関与とバーミンガム・カウンシル住宅委員会委員長への就任
 2. 住宅委員会の基本的立場
 3. ネトルフォールドの住宅政策思想
 4. ネトルフォールドの住宅政策への評価
 5. ホースフォールとドイツの「都市拡張計画」からの影響
 6. 1905年夏のドイツ視察と1906年7月の住宅委員会報告
 7. ネトルフォールドの住宅政策・都市計画思想の特徴——ホースフォールとの比較
 おわりに
終 章 本書の総括と今後の課題

文献目録/図表一覧/あとがき/人名索引/事項索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。