公民館をどう実践してゆくのか 小さな社会をたくさんつくる・2
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-13-051348-7 C3037
奥付の初版発行年月:2019年07月 / 発売日:2019年07月下旬
戦後市民の学習拠点として構想された公民館は,いま地域の危機のなかで自らのまちの問題を見つめ,行動し経営しようとする住民たちの「生きることとしての学び」の場として,新しい姿をみせつつある.全国公民館連合の指針と重なる前著『公民館はどう語られてきたのか――小さな社会をたくさんつくる・1』をより具体化した未来像.
牧野 篤(マキノ アツシ)
東京大学大学院教育学研究科教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序 章 〈ちいさな社会〉をたくさんつくる――公民館を再考するために
1 いい社会なのに活かせない
2 人々が孤立する社会
3 Society 5.0とあるべき公正な社会
4 「恩送り」の関係と人への想像力
5 人が人を想像する魅力的な社会
6 〈ちいさな社会〉が焦点化される時代
7 〈ちいさな社会〉実装の取り組み
8 〈ちいさな社会〉をたくさんつくる
第1章 住民がアクターとなる〈学び〉の場――自治の触媒としての公民館二論
1 「自治」の触媒としての公民館
2 コミュニティをつくる公民館
第2章 当事者による地域経営の〈場〉――古い公民館の新しい可能性
1 人々が存在を確かめ合う〈場〉
2 当事者性へ
3 実践から
4 関係に立ち上がる当時者性
5 当事者による地域経営へ
第3章 静かなダイナミズムが「まち」を支える――住民自治の開かれた自立性
1 飯田市公民館への着目
2 公民館分館への着目
3 飯田市自治組織の構成と公民館の役割
4 地域を支える基盤としての分館
5 開かれた静かなダイナミズム
6 自治の触媒としての公民館と〈社会〉としての〈わたし〉
第4章 公民館「的なもの」の可能性――自治と分権を発明し続けるために
1 おカネが理由……
2 現下の社会保障としての生涯学習
3 自治の「触媒」としての公民館
4 子どもが主役のまちづくり
5 公民館構想の本質
6 公民館を発明し直す
7 新しい専門職の要請
8 行政の〈学び〉化へ
9 円よりも縁,ふたたび
第5章 公民館を地域づくりの舞台に――対談 小田切徳美×牧野 篤
はじめに
フラットな人間関係をつくる場である公民館
当事者意識を育てる
「公民館をやる」
小さな困りごとから,自分たちで解決していく
楽しさや達成感が次のステップになる
小銭を稼ぐ
長いスパンで考えることも大切
結び 〈学び〉の生成論的転回へ――公民館=自由への活動の相互承認プロセスの〈場〉
1 能動的主体の逆説
2 身体
3 自治
4 市場
5 自由
あとがき――希望の薄明かりが差し込む社会へ
Reshaping the Practices of Kominkan:
Discussions on the Community Learning Center in Japan
[The Making of our 〈Societies〉,2]
Atsushi MAKINO