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不平等と意識のパラドックス相対的剥奪の社会学

相対的剥奪の社会学 不平等と意識のパラドックス

A5判 218ページ
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-13-056108-2 C3036
奥付の初版発行年月:2015年01月

内容紹介

他人と自分を比較して不満や欠乏の気持ちを抱く.これが「相対的剥奪」である.すでに社会学において基本的な概念として名高いこの理論を,最先端の数理モデルや指数を用いて現代に蘇らせる.平等化,経済発展,幸福の追求という現代社会の課題に迫る新しいアプローチ.


目次

第1章 本書の目的

第I部 相対的剥奪指数の導入
 第2章 相対的剥奪概念の発見と展開
  2.1 スタウファーらの『アメリカ兵』
  2.2 マートンの貢献
  2.3 昇進機会と相対的剥奪
  2.4 ランシマン条件
  2.5 サルの相対的剥奪
 第3章 ジニ係数と相対的剥奪指数
  3.1 所得分布の導入
  3.2 ジニ係数
  3.3 イツハキの相対的剥奪指数
  3.4 昇進機会と相対的剥奪再訪

第II部 相対的剥奪の歴史社会学
 第4章 平等化と相対的剥奪のパラドックス
  4.1 トクヴィルの『アメリカのデモクラシー』
  4.2 階級障壁の消滅による相対的剥奪の上昇
  4.3 準拠集団による相対的剥奪低減効果
  4.4 デモクラシーの代償としての相対的剥奪
 第5章 経済成長と相対的剥奪のパラドックス
  5.1 デュルケムの「アノミー的自殺」
  5.2 経済成長と幸福のパラドックス
  5.3 経済成長による相対的剥奪の上昇
  5.4 経済成長と平等化による相対的剥奪の上昇
  5.5 イースタリン・パラドックスについての注釈
  5.6 経済成長の負の影響としての相対的剥奪

第III部 相対的剥奪の計量社会学
 第6章 相対的剥奪と準拠集団の計量モデル
  6.1 問題の所在
  6.2 他者比較モデルの導入
  6.3 収入満足感の分析
  6.4 生活満足感の分析
  6.5 結論  
 第7章 所得分布イメージ上の相対的剥奪
  7.1 問題の所在
  7.2 分析データの概要
  7.3 人はどのような基準で準拠集団を選択するか
  7.4 人はどのような所得分布イメージをもつのか
  7.5 所得分布イメージ上の相対的剥奪と主観的幸福感
  7.6 結論
 第8章 機会不平等に起因する相対的剥奪の測定
  8.1 問題の所在
  8.2 機会平等の原則
  8.3 機会不平等に起因する相対的剥奪による分解
  8.4 IEO-RDによる分解法の分析例
  8.5 分解法の特性

付 録A 微分・積分の基礎
 A.1 微分の導入のための準備
 A.2 微分
 A.3 積分

文献一覧/あとがき/索引


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