「象牙の塔」と「生ける社会」の結びめ 明治期東大・早稲田の学術普及からみた大学理念
菅原 慶子:著
A5判 258ページ
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-13-056240-9 C3037
奥付の初版発行年月:2024年02月 / 発売日:2024年02月上旬
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-13-056240-9 C3037
奥付の初版発行年月:2024年02月 / 発売日:2024年02月上旬
内容紹介
近代日本社会に大学を生みだそうとしたとき、教師たちが学問を語りかけたのは日々を営む市井の人びとであった。東京大学、早稲田大学、慶應義塾…官立私立の枠を超え連環していった学術演説会や講談会の試みを活写し、現代もなお揺れ動く大学と社会との距離感をまなざす。
著者プロフィール
菅原 慶子(スガワラ ケイコ)
東京大学大学院教育学研究科教育学研究員
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序章 「象牙の塔」と「生ける社会」をめぐる大学理念
第1節 「象牙の塔」と「生ける社会」の相克
第2節 日本近代大学の対社会的活動モデルの探究へ向けて
第1章 理想の大学像を求めて――東京大学法理文三学部演説会
第1節 大学講堂の公開演説会
第2節 「大学」創設への矜持
第2章 啓蒙事始め――東京大学理医学講談会
第1節 教育無キ者ニモ解シ易キ様ニ
第2節 高まる言論統制と学問への危機感
第3章 最高学府の使命と向き合う――帝国大学大学通俗講談会
第1節 「通俗」への試み
第2節 大学への信頼を求めて
第4章 梓の心を受け継いで――東京専門学校の同攻会演説会
第1節 東京と地方の三演説会
第2節 地方に根ざした遊学の府
第5章 建学精神と経営基盤の確立へ向けて――早稲田学校の巡回講話
第1節 地方をめぐり早稲田をひろめる
第2節 つながる場
第6章 私立大学の矜持――早稲田大学巡回教育
第1節 日本版“University Extension”を目指して
第2節 私立大学の役割を築く
第7章 連帯する大学人
第1節 演説がつなぐ大学の夢
第2節 誰のための大学か
終章 結びめからみえた日本近代大学像
第1節 演説という結びめ
第2節 日本近代大学の新たな像を求めて