大学出版部協会

 

オルカ研究全史シャチ

シャチ オルカ研究全史

A5判 216ページ
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-13-060249-5 C3045
奥付の初版発行年月:2024年09月 / 発売日:2024年09月下旬

内容紹介

ミステリアスな生態を追う――かつて「海のギャング」といわれたシャチは、すばらしい文化をもつ魅力的な動物だった。南極海に生きる謎のタイプDをはじめ多様な生態型をもつかれらは、はたして1種なのか? 世界中の海で精力的にシャチを追い続けた記録。

著者プロフィール

水口 博也(ミナクチ ヒロヤ)

科学ジャーナリスト
1953年生まれ。京都大学理学部動物学科卒業後、出版社にて自然科学系書籍の編集に従事。1984年に独立し、世界各地で海洋生物を中心に調査・撮影を続け、多くの著、書と写真集を発表。1991年『オルカ アゲイン』(風樹社)で講談社出版文化賞写真集賞受賞。2000年『マッコウの歌――しろいおおきなともだち』(小学館)で日本絵本大賞受賞。主な著書は『オルカ――海の王シャチと風の物語』(早川書房、1988年)、『世界の海にシャチを追え!』(岩波書店、2018年)、『世界で一番美しい シャチ図鑑』(誠文堂新光社、2019年)、『世界で一番美しい アシカ・アザラシ図鑑』(創元社、2021年)、『シャチ生態ビジュアル百科』(誠文堂新光社、2023年)、『世界アシカ・アザラシ観察記――動物写真家が追う鰭脚類の生態』(東京大学出版会、2023年)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第1章 アメリカ、カナダの太平洋岸から
サンファン諸島/研究のはじまり/シャチという動物/レジデント/A30の家族/文化と伝統をもつ存在として/南部レジデントの奇妙な“文化”

第2章 文化をもつ存在
鳴音の研究/“方言”をもつシャチ/ポッドはどう分かれてきたか/更年期をもつシャチ/息子を守る母親/トランジェント/トランジェントの狩り/DNAの解析技術の発展とともに

第3章 北部北太平洋のシャチ
アラスカのレジデントとトランジェント/東南アラスカの沿岸水路/プリンス・ウィリアム湾/アラスカ・レジデントの声/プリンス・ウィリアム湾のトランジェント―AT1グループ/AT1グループの声/AT1グループの未来/コククジラを襲うシャチ/より西へ/最後の氷期が終わって

第4章 さまざまな生態型~南極海と北大西洋から
南極海から/南極のシャチ/生態型それぞれ/体をおおう珪藻/タイプD/シャチは1種か/ノルウェー北極圏のシャチ/カルーセル・フィーディング/小さすぎる獲物/北大西洋のシャチ/タイプ2その後/ジブラルタル海峡のシャチ/マグロを捕食するシャチたち/汚染化学物質のホットスポットとして

第5章 南半球のシャチたち
アルゼンチン、バルデス半島のシャチ/アタック・チャネル/メルとベルナルド/プンタノルテ以外の場所で/バルデス半島、その後/クロゼ諸島のシャチ/ニュージーランドのシャチ/オーストラリア、ブレマー海底渓谷海域のシャチ/ニンガルーリーフで/サメを襲う南アフリカのシャチ

第6章 世界のシャチがたどった道、そして日本へ
世界のシャチの遺伝的な多様性が乏しいこと/シャチは1 種ではない?/世界のシャチがたどった道/レジデント、オフショアとトランジェントの関わり/最後の氷期のあとで/集団間の交流と分断/東部熱帯太平洋/イカを食べるトランジェント/日本にすむシャチ/最終氷期極大期における避難場所として

第7章 シャチに未来はあるか
大量死が教えるもの/セントローレンス湾のベルーガ/世代を超えた蓄積/餌をめぐる窮状/南部レジデントの憂鬱/懸念される近親交配

おわりに
解説 篠原正典(帝京科学大学生命環境学部教授)
索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。