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明治期から東日本大震災まで日本の地震予知研究130年史

日本の地震予知研究130年史 明治期から東日本大震災まで

A5判 686ページ
価格:8,360円 (消費税:760円)
ISBN978-4-13-060313-3 C3040
奥付の初版発行年月:2015年05月

内容紹介

明治初期に始まる日本の地震予知研究は,大地震のたびに関心の盛り上がりと失望を繰り返しながら,しかし一向にそのゴールが見えてこない.人々が地震予知の実現に大きな夢を抱き続けているのはなぜなのか.本書は地震学研究だけでなく,国や社会の対応などの側面も含め多様な角度からその謎に迫る.


目次

序 章 地震予知への願望——江戸時代までの地震学と地震予知
 0.1 古代ギリシャ・ローマ時代の地震原因論と地震の前兆
 0.2 18世紀までの西欧の地震原因論と地震の前兆
 0.3 19世紀の西欧の地震原因論
 0.4 日本の地震原因論と地震の前兆
 0.5 安政の江戸地震と地震予知
第1章 明治の日本地震学会と地震予知
 1.1 幕末から明治初期までの地震研究
 1.2 日本地震学会の設立とミルン
 1.3 日本地震学会と地震学の発展
 1.4 日本地震学会と地震予知研究
 1.5 ミルンと関谷清景の地震予知の戦略
第2章 濃尾地震と震災予防調査会
 2.1 濃尾地震とその調査
 2.2 震災予防調査会の設立とミルンの離日
 2.3 震災予防調査会の事業とその成果
 2.4 大森房吉と震災予防調査会の活動の変化
 2.5 大森房吉と今村明恒の地震予知戦略
 2.6 大森と今村の東京大地震予知論争
第3章 関東大震災と地震研究所
 3.1 関東大震災とその惨状
 3.2 大森地震学への批判と地震研究所の設立
 3.3 地震研究所と中央気象台,震災予防評議会
 3.4 寺田寅彦と地震予知
 3.5 今村明恒の南海地震予知の試み
 3.6 地電流や地磁気による地震予知研究
第4章 南海地震と地震予知研究連絡委員会
 4.1 南海地震と今村明恒
 4.2 GHQの将兵と地震
 4.3 地震予知研究連絡委員会の発足と地震予知計画
 4.4 地震予知騒ぎと地震予知研究連絡委員会
 4.5 福井地震と戦後の地震研究
 4.6 地震予知研究連絡委員会以後の地震予知研究
第5章 ブループリントと地震予知計画の開始
 5.1 「ブループリント」の作成
 5.2 新潟地震と地震予知研究10年計画のスタート
 5.3 松代群発地震と地震予知研究計画
 5.4 十勝沖地震と地震予知の実用化
 5.5 地震予知連絡会の発足と「関東南部地震69年周期説」
 5.6 米国での地震予知ブーム
 5.7 中国・海城地震の予知
 5.8 日本での地震予知ブーム
第6章 東海地震説と大規模地震対策特別措置法
 6.1 「駿河湾地震」説の登場
 6.2 「駿河湾地震」説の反響と東海地域判定会の設置
 6.3 伊豆大島近海地震と「大規模地震立法」の必要性
 6.4 大規模地震対策特別措置法の国会審議
 6.5 宮城県沖地震と“東海地震予知体制”の始動
 6.6 “東海地震予知体制”下での地震予知研究
 6.7 地震予知計画の主な成果
 6.8 地震予知計画への批判
第7章 阪神・淡路大震災と地震調査研究推進本部の設立
 7.1 兵庫県南部地震とその被害
 7.2 阪神・淡路大震災後の言説と行政の対応
 7.3 地震防災対策特別措置法の成立
 7.4 地震調査研究推進本部の事業
 7.5 地震予知計画の見直し
 7.6 東海地震対策の見直しと中央防災会議
 7.7 地震予知研究の主な成果
第8章 東日本大震災と地震学
 8.1 東北地方太平洋沖地震とその被害
 8.2 東日本大震災後の地震研究者の反省
 8.3 東日本大震災後の行政の対応
 8.4 東日本大震災後の地震研究
終 章 地震予知研究の歴史を振り返って
 9.1 地震予知研究の歴史は繰り返しの連続
 9.2 科学はなぜ進歩するのか
 9.3 地震予知研究に見る国家プロジェクトの弊害
 9.4 地震予知研究をどうするか

地震予知関係年表
文献と注
事項索引
人名索引
地震・震災名索引


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