ACPの考え方と実践 エンドオブライフ・ケアの臨床倫理
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-13-062425-1 C3047
奥付の初版発行年月:2024年04月 / 発売日:2024年04月上旬
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは、ひとりひとりを人として尊重し、人生の最終段階にいたるまでの患者の意思決定を支援するための方法である。米国の模倣ではなく日本の文化的な特徴を踏まえたACP実践のため、豊富な事例をまじえわかりやすくその考え方を示す画期的な新テキスト。
会田 薫子(アイタ カオルコ)
東京大学大学院医学系研究科健康科学専攻博士課程修了。博士(保健学)。2012年東京大学大学院人文社会系研究科附属死生学・応用倫理センター上廣講座特任准教授、2017年から特任教授。著書は『延命医療と臨床現場』(東京大学出版会、2011年)、『長寿時代の医療・ケア』(ちくま新書、2019年)、『医療・介護のための死生学入門』(共編、東京大学出版会、2017年)、『臨床倫理の考え方と実践』(共編、東京大学出版会、2022年)ほか多数。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
Ⅰ 理論編
1.医療倫理と臨床倫理の基礎(会田薫子)
2.ACPとは(会田薫子)
3.ACPの日米における異同――文化的特徴の相違点と留意点(会田薫子)
4.エンドオブライフ・ケアの倫理(会田薫子)
5.エンドオブライフ・ケアをめぐる法とガイドラインの理解(樋口範雄)
6.和辻倫理学を医療・ケアの意思決定支援に活かす(宮村悠介)
7.「自律」と「関係的自律」(日笠晴香)
コラム1 本人の意向を尊重する共同意思決定のために(秋葉峻介)
8.タイミングの倫理と共同意思決定プロセス――時間感覚へのケアから考える(早川正祐)
コラム2 「触れる」ケアとコミュニケーション(坂井愛理)
9.ケアの現象学の視点から――とくにハイデガーに着目して(田村未希)
コラム3 ケアの現場における直観――「直観」と「直感」(野瀬彰子)
Ⅱ 実践編
1.認知症を有する高齢者の場合――食べられなくなった認知症高齢者の意思と長女の意思が異なり困った事例(高梨早苗・三浦久幸)
2.自ら伝えることの難しい超高齢患者――尊厳が脅かされていると家族が感じた事例(吉岡佐知子)
3.治癒が困難な状態にあるがん患者――家族から本人に予後を伝えないでほしいと希望された事例(山本瀬奈)
4.気管支拡張症の患者――本人と家族の意向との齟齬が生じ合意を得る支援を必要とした事例(竹川幸恵)
5.何度も治療で回復する経験をしている心不全患者のACPとは?(仲村直子)
6.高齢の慢性腎不全患者の療法選択――multimorbidity(多疾患併存状態)における対応(大賀由花)
7.ALS患者のための意思決定支援(丸木雄一)
8.救急・ICUにおける対話のあり方(伊藤 香)
9.老人保健施設におけるACP――人工的水分・栄養補給法と療養の場の選択(西川満則・山本梨恵・田中貴美)
10.特別養護老人ホームにおけるACP(島田千穂)
11.歯科医師・歯科衛生士がどのように関わるのか(阪口英夫)
12.介護支援専門員がどのように関わるのか――リビング・ウィルが尊重されなかった事例(清水直美)
13.在宅医療を受けている患者の急変――在宅医療と病院医療の連携(小豆畑丈夫)
14.身寄りのない高齢患者への支援――成年後見制度の活用(岡村紀宏)
15.先行のACPテキストにみる倫理的な問題への対応のヒント(平川仁尚)