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イルカと生きる

イルカと生きる

四六判 208ページ
価格:3,630円 (消費税:330円)
ISBN978-4-13-063960-6 C1045
奥付の初版発行年月:2024年05月 / 発売日:2024年05月下旬

内容紹介

イルカたちは広い海でどのように暮らしているのか? 世界的な鯨類学者が、イルカと人間のかかわりという視点から、スジイルカ、イシイルカ、ゴンドウクジラなどの多様な生きざまを描き、イルカの保全をはじめ、かれらとわれわれの未来を問う。

著者プロフィール

粕谷 俊雄(カスヤ トシオ)

鯨類研究者。
1937年生まれ。1961年東京大学農学部水産学科卒。日本捕鯨協会鯨類研究所研究員、東京大学海洋研究所助手、水産庁遠洋水産研究所鯨類資源研究室長、同外洋資源部長、三重大学生物資源学部教授、帝京科学大学理工学部教授などを経て現在に至る。農学博士。Distinguished Achievement Award,The Society for Conservation Biology(1994年), Kenneth S.Norris Life Time Achievement Award, The Society for Marine Mammalogy(2007年)、日本哺乳類学会賞(2013年)など受賞。専門は鯨類学。主著は『イルカ――小型鯨類の保全生物学』(東京大学出版会、2011年)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第1章 鯨類の歴史――陸から海へ
1 先駆者と追従者
2 ムカシクジラ類――最初の鯨類
3 ヒゲクジラ類とハクジラ類の分化
4 ヒゲクジラ類の歩んだ道
5 ハクジラ類の歩んだ道

第2章 日本の鯨学の始まり
1 イルカとは――動物学以前
2 動物学者の視点

第3章 イルカのすむ海
1 日本周辺の海流構造
2 海水温
3 イルカの好む環境

第4章 スジイルカ――暖流系の代表種
1 日本のイルカ漁
2 スジイルカ資源の研究と西脇昌治氏
3 意外に緩やかな生活史
4 スジイルカの社会構造と生存戦略
5 失敗したスジイルカの資源管理

第5章 イシイルカ――寒流系の代表種
1 二つの主要体色型といくつかの個体群
2 疾風の生涯――ネズミイルカ科の通例
3 イシイルカ漁業の盛衰

第6章 ゴンドウクジラ類――母系社会に生きる
1 日本近海の種――大村秀雄氏の疑問
2 マゴンドウとタッパナガ――コビレゴンドウの二型
3 コビレゴンドウの生活史と生存戦略
4 ヒレナガゴンドウ――北太平洋では絶滅

第7章 ハクジラ類の社会と高齢個体の役割
1 老齢期を生きる雌
2 ハクジラ類の繁殖戦略――雌雄の違い
3 ツチクジラの不思議な社会――雌雄があべこべ

第8章 壱岐のイルカ騒動――イルカといかに生きるか
1 壱岐のイルカ騒動と私
2 壱岐周辺の漁業生物と人間活動
3 イルカ被害対策とその教訓

おわりに
引用文献


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