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近世フィレンツェの都市と祝祭

近世フィレンツェの都市と祝祭

A5判 304ページ
価格:7,150円 (消費税:650円)
ISBN978-4-13-066859-0 C3052
奥付の初版発行年月:2020年08月 / 発売日:2020年08月中旬

内容紹介

宗教的・政治的な儀式や競技行事などといった祝祭が共和制から君主制に移行していく過程において近世フィレンツェにどのような影響をもたらしたのか.市庁舎広場,聖堂,ロッジア,街路,橋,ヴィラなどを取り上げ,分析することで都市と祝祭の重層的な実相に迫る.

著者プロフィール

赤松 加寿江(アカマツ カズエ)

京都工芸繊維大学デザイン・建築学系准教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 祝祭から見た都市
     1 本書の視角
     2 先行研究と課題
     3 本書の方法と構成


第1部 共和国時代からの祝祭

第1章 メディチ家と祝祭
     はじめに
     1 共和国時代の祝祭
     2 コジモ・イル・ヴェッキオと祝祭(一四三四─一四六四年)
     3 ロレンツォ・デ・メディチと祝祭(一四六九─一四九二年)
     4 メディチ家の復帰と祝祭(一五一二─一五二七年)
     5 君主国時代の入市式
     6 コジモ一世治世の大衆的祝祭
     まとめ

第2章 市庁舎広場──祝祭が作る空間
     はじめに
     1 パラッツォ・ヴェッキオの建設
     2 シニョリーア広場の拡張整備
     3 リンギエラとロッジア・デッラ・シニョリーア
     4 祝祭における空間利用
     5 一四九〇年代のリアルト建設
     6 シニョリーア広場の継承と変質
     おわりに

第3章 聖堂──宗教劇空間の維持と終焉
     はじめに
     1 兄弟会と祝祭活動
     2 カルミネ聖堂
     3 カルミネ聖堂の昇天劇と社会集団
     4 一四八〇年代 兄弟会の変質と聖堂の変化
     5 ポンテの撤去
     おわりに

第4章 ロッジア──特権空間の閉鎖と再生
     はじめに
     1 ロッジア閉鎖の背景
     2 パラッツォ・メディチ
     3 ロッジア・ルチェライ
     4 ロッジアの閉鎖と再生
     おわりに


第2部 君主国時代の祝祭

第5章 街路と祝祭装置──都市景観の継承と壮麗化
     はじめに
     1 巡行順路と街路の価値──トルナブオーニ通り
     2 コジモ一世の建築方針
     3 一五六五年のフランチェスコ一世の結婚祝祭
     4 祝祭装置としてのウフィツィ
     5 パラッツォ・ヴェッキオ五〇〇人大広間の仮設劇場
     おわりに

第6章 橋と広場──副都ピサの伝統祝祭
     はじめに
     1 コジモ一世の領域支配
     2 ピサの都市改造
     3 サント・ステファノ騎士団と広場改造
     4 祝祭競技─マッツァ・スクード
     5 コジモ一世によるジョコ・デル・ポンテ
     6 国家行事としての祝祭競技
     おわりに

第7章 ヴィラ──巡幸と領域の再編
     はじめに
     1 メディチ家のヴィラと地理的領域
     2 君主国体制下の土木事業
     3 土木監督局――カピターニ・ディ・パルテ
     4 沼の再編――ヴィラ・モンテヴェットリーニ
     5 巡幸の軌跡――ヴィラ・アンブロジャーナ
     おわりに


終 章 都市を再編する祝祭
     1 祝祭空間から読むコジモ一世の都市再編の構想
     2 都市再編の契機としての祝祭


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