観衆の成立 美術展・美術雑誌・美術史
五十殿 利治:著
A5判 344ページ
価格:6,160円 (消費税:560円)
ISBN978-4-13-080209-3 C307
奥付の初版発行年月:2008年05月
価格:6,160円 (消費税:560円)
ISBN978-4-13-080209-3 C307
奥付の初版発行年月:2008年05月
内容紹介
明治末の文部省美術展覧会は,それまでの美術の鑑賞スタイルを大きく変え,おびただしい数の観衆を生み出した.本書は,美術を受容し,愛好する人々=観衆がいかに形成されていったのかを,投稿雑誌や美術雑誌に焦点をあてて考察する.美術を成り立たせるものは何かを問う近年の研究に,新たな視点を提示.
目次
序 観衆の研究
I 展覧会制度と観衆
1 文部省美術展覧会の開設と観衆
2 美術の一般化と近代観衆の出現——「絵画の約束」論争を中心に
3 明治大正名作美術展覧会をめぐって——近代美術展、近代美術館、近代美術史
II 発言する読者——投書と投稿画
4 コマ絵投書と新興美術運動——『文章世界』投稿画を中心に
5 投稿画と同人誌——「銀皿」時代の東郷青児の登場
6 明治末における美意識と「美術」の制度——一九〇九(明治四二)年の『万朝報』の懸賞募集を通して
III 美術雑誌と読者ネットワーク
7 美術雑誌読者ネットワークのなかの柳瀬正夢
8 大正期美術雑誌の投書欄について——読者とアマチュア
9 「研究所だより」から—「アマチュア=画家」と美術雑誌読者の世界
IV 「大衆芸術」時代の観衆
10 新興美術運動と大衆芸術
11 村山知義の『天国地獄』——戦前の日本モダニズムの挫折