16世紀初頭からフランス革命前までの美術書を対象に,著者・内容・本の成立ち・印刷・造本等を徹底して分析.その時代の芸術家・批評家・作家たちは,どのような書物を読んできたのか.流布の実態を探り,芸術や技術が継承されてゆく事実を明らかにする.カラー図版107点.20年来の研究成果の結実.
目次
緒言——エスプリ・カルヴェの「古文庫」から
第一部 序説
美術書誌学の射程
美術古文献の地誌
美術書誌学の課題
第二部 美術書誌学
テオフィルスと『諸技術提要』
マルクス・ウィトルウィウス・ポリウスと『建築十書』
レオン・バッティスタ・アルベルティと『絵画三書』
レオナルド・ダ・ヴィンチと『絵画論』
アルブレヒト・デューラーと『人体均衡論四書』
ジャコモ・バロッツィ・ダ・ヴィニョーラと『建築の五つのオーダーの規則』
アンドレア・パッラーディオと『建築四書』
セバスティアーノ・セルリオと『建築及遠近法全著作』
ヴィンチェンツォ・スカモッツィと『普遍建築のイデア』
ジョルジョ・ヴァザーリと『イタリアのもっとも傑出せる建築家・画家・彫刻家の生涯』
ジョヴァンニ・パオロ・ロマッツォと『絵画芸術論七書』
カレル・ファン・マンデルと『画家の書』
ジョヴァンニ・ピエトロ・ベッローリと『現代画家・彫刻家・建築家伝』
マルコ・ボスキーニと『絵画海図』
フィリッポ・バルディヌッチと『ディセーニョ教授の消息』
カルロ・チェーザレ・マルヴァシアと『ボローニャ画家伝』
ヨアキム・フォン・ザンドラルトと『高貴なるドイツ建築・彫刻・絵画芸術アカデミー』
アンドレ・フェリビアン・デ・ザヴォーと『古今のもっとも秀でたる画家の生涯と作品についての講話』
ヘンリー・ピーチャムと『ペンによる素描術』
ロジェ・ド・ピールと『画家略伝』
シャルル=アルフォンス・デュ・フレノワと『画論』
ジャン=バティスト・デュボスと『詩と絵に関する批判的省察』
アントワーヌ=ジョゼフ・デザリエ・ダルジャンヴィルと『もっとも高名なる画家たちの生涯』
ジャン=バティスト・デキャンと『フランドル・ドイツ・オランダの画家たちの生涯』
クロード=アンリ・ワトレと『美術実践辞典』
ジョナサン・リチャードソンと『著作集』
ベルナール・ド・モンフォーコンと『古代図説』
ジョヴァンニ・バッティスタ・ファルダと『現代ローマの景観における工作物・建築物の新劇場』
ドゥニ・ディドロとジャン・ル・ロン・ダランベールと『百科全書』
第三部 雑纂
フランチェスコ・コロンナと『ポリフィロ狂恋夢』
アンドレアス・ウェサリウスと『人体の構造に関する七書』
ロバート・フックと『ミクログラフィア』
ナポレオン=ボナパルトと『エジプト誌』
西洋近代の博物図譜
初出一覧/あとがき/人名索引