日本語学習・教育の歴史 越境することばと人びと
価格:3,850円 (消費税:350円)
ISBN978-4-13-082019-6 C3081
奥付の初版発行年月:2016年01月
日本国内から露,欧,北南米,アジア,南洋までを視野におさめ,近現代を中心にして,日本語をめぐる人びとの交流,そして教科書などの変遷を大胆に描き出す.日本語教育の基礎知識を学べるリーダブルな一冊.写真100点.
目次
I 日本語の歩んできた道
第1章 異文化接触と「日本語」
1 日本語使用領域の変遷
2 古代日本の異文化・異言語の接触
3 近代以前に外国に伝えられた日本語
4 開国前後の日本語
5 近代日本の「国語」としての日本語
6 戦後日本の「国語」改革
7 現代日本における「国語」「日本語」
II 日本における日本語学習・日本語教育
第2章 来日外国人による日本語学習——近代以前〜19世紀末
1 『日本書紀』『万葉集』などに現れる日本語学習者
2 ヨーロッパ人宣教師による日本語学習——16世紀〜17世紀半ば
3 オランダ商館関係者の日本語学習——17世紀半ば〜19世紀半ば
4 開国後の来日外国人による日本語学習
第3章 近代日本の日本語教育——19世紀末から1930年代
1 近代日本と「国語」教育
2 欧米人宣教師に対する日本語教育
3 外国人俘虜収容所における日本語教育
4 朝鮮・中国からの留学生に対する日本語教育
5 各国からの留学生の増加と国際学友会の設立
6 国際文化振興会の日本語普及事業
7 アメリカの語学将校に対する日本語教育と長沼直兄
8 朝鮮半島出身者に対する「国語」教育
第4章 日本語教育激動の時代——1930年代〜現代
1 国語教科書に描かれた日本語普及の変遷
2 日本語教育現場への戦争の影響
3 戦争中の日本語普及事業
4 戦後早期の日本語教育事情
5 戦中・戦後を日本語教師はどう生きたか
6 講和条約発行後から1970年代までの日本語教育
7 1980年代以降の日本語教育
III 露・欧・米などの日本語研究・日本語教育
第5章 ロシア——18世紀〜現代
1 ピョートル大帝と日本語教育の幕開け
2 漂流民による日本語教育
3 ロシア人の日本語研究と日本人
4 日本語教育に貢献したロシア人
第6章 ヨーロッパ——18世紀〜現代
1 ヨーロッパの日本語教育の夜明け
2 オランダの日本語教育
3 オーストラリア,ハンガリー,フィンランドの日本語教育
4 フランス,イタリアの日本研究・日本語教育
5 ドイツの日本研究・日本語教育
6 ヨーロッパで教えた日本人教師たち
7 戦後のヨーロッパにおける日本語教育
第7章 南北アメリカ・イギリス・オーストラリア——19世紀〜現代
1 日系人のための継承語教育——ハワイ,アメリカ本土,ブラジル,ペルー
2 日本文学・日本文化の紹介者たち
3 経済交流と国防をめぐって——オーストラリア
4 対日戦に向けた語学兵の養成——アメリカ,イギリス,オーストラリア
5 戦後の南北アメリカ,イギリス,オーストラリアの日本語教育
IV アジア・太平洋地域の日本語学習・日本語教育
第8章 中国・朝鮮——近代以前〜現代
1 古代の交流と日本語学習者の出現
2 15〜18世紀の中国・朝鮮における日本語史料
3 19世紀以降の中国における日本語教育
4 19世紀以降の朝鮮における日本語教育・「国語」教育
第9章 台湾・南洋諸島——近代以前〜現代
1 近代以前の台湾・南洋諸島
2 台湾総督府による「国語」普及
3 南洋群島における「国語」普及
4 戦後の台湾・南洋諸島での日本語教育
第10章 タイ・ベトナム——近代以前〜現代
1 近代以前の「崑崙」とタイ
2 近代日本とタイの教育交流
3 1932年立憲革命後のタイと日本語
4 「仏印」(ベトナム)における日本語教育
5 戦後のタイ,ベトナムにおける日本語教育
第11章 シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ミャンマー——近代以前〜現代
1 欧米列強の植民地下の東南アジアと日本
2 南方諸地域への日本による軍政方針
3 南方派遣教員と南方向け教材
4 戦争中の各地の日本語教育
5 戦後の各地の日本語教育
おわりに
参考文献/図版一覧/事項索引/作品索引/人名索引